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» 2013年11月26日 14時00分 UPDATE

分かりやすさで勝負:auの法人スマホは“2年間無料のグループウェア付き”――KDDIは中小企業のハートをつかめるか

auの法人スマホを買ったら、「Office 365」か「Google Apps for Business」が2年間実質無料で使える――。こんな施策を始めたKDDIは、中小企業のスマホ移行を軌道に乗せられるのか。

[後藤祥子,Business Media 誠]
Photo 10月10日からKDDIが開始した期間限定の施策。2大メジャーIT企業のグループウェアが2年間、ほぼ実質無料で使える

 なぜ、会社支給のケータイがスマホじゃないのか――。中小企業で、こんな声が挙がり始めているという。スマートフォンの普及に伴ってクラウド型のメールやスケジュールサービスを日常的に使う人が増加。私生活で、“いつでもどこでも、最新のメールや予定を確認できる便利さ”を知った人が、仕事でそれを使えないのにストレスを感じているというわけだ。

 企業が社員にスマホを提供できない理由の1つはコストの問題だ。フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)からスマホに機種変更すると、端末代そのものが高いのに加え、パケット料金や通話料も上がってしまう。その上、スマホは端末だけを買ったところで、仕事に便利に使えるわけではない。企業の“外出先3大ニーズ”といわれる「ファイルを見たい(パンフレットを見せたい)」「メールを見たい」「スケジュールを共有したい」を満たすには、グループウェアを導入する必要があり、そのコストもかかってしまう。

 こうしたコスト面の課題解消に取り組んでいるのがKDDI。10月10日から、“auのスマホ/タブレットを導入すると、2大メジャーIT企業のグループウェアが2年間実質無料”という期間限定の施策を打ち出している(2014年3月31日まで)。

 KDDIが実質無料とするグループウェアは「Office 365 with KDDI」と「Google Apps for Business」。Office 365は、Excel、Word、PowerPointなどのビジネスツールの開発で知られるマイクロソフトが提供するクラウド型サービス。Office 365を導入することで、企業は時間や場所を選ばずPC/スマホ/タブレットからアクセスできる予定表やアドレス帳、メール、インスタントメッセンジャー、オンラインストレージなどのビジネスツールを利用できるようになる。さらに、Microsoft OfficeをインストールしていないPCやタブレット、スマホでOffice文書の作成や編集ができるようになるのも便利な点だ。

 Google Apps for Businessは、GoogleがGmailやGoogleカレンダー、Googleドライブといったコンシューマー向けサービスで培った技術・サービスを企業向けに提供するクラウド型サービス。利用者はコンシューマー向けサービスで使い慣れたUIそのままに、仕事でメールやカレンダー、スプレッドシート、Web会議などの機能をいつでもどこでも利用できるようになる。

sa_kd786.jpgPhoto これまでアプリをインストールして使っていたマイクロソフトの各種サービスをクラウド上で“いつ、どこからでも使えるようにする”のがOffice 365。Webブラウザでも、従来のようなクライアントアプリでも使えるという柔軟な製品構成になっており、社内の環境を徐々にクラウドにアップグレードすることが可能だ

Photo 使い慣れたUIのGoogleサービスを仕事でも使えるようになる

 端末と通信、サービスをセットで提供するというのは、通信キャリアだからこそできる施策。例え2年間の期間限定といえど“スマホを買えば無料でグループウェアがついてくるなら”と導入を検討する中小企業は少なくないだろう。

日本企業のニーズに合ったアドオンツールを提供

 「Office 365」「Google Apps for Business」といったグループウェアとスマホ/タブレットのセット販売は、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルなどの通信キャリアも行っている。他キャリアとの違いはどこにあるのだろうか。

 大きな違いは、より日本企業のニーズにあったサービスの提供を目指している点だ。KDDIは、Office 365 with KDDIとGoogle Apps for Businessの取り扱いを始めるにあたって開発ベンダーのサテライトオフィス、ネクストセットと提携。サテライトオフィスはGoogle Apps向けに、組織カレンダーや組織アドレス帳、シングルサインオンなどの機能を、ネクストセットはOffice 365向けに、組織ワークフロー、シングルサインオンなどの機能をアドオンとして提供する。

 海外仕様のサービスをそのまま日本に持ってきても、日本企業が必要とする機能がそろっていないことからストレスを感じる企業も多く、その差異を埋めて使いやすくするのがKDDIの狙いだ。アドオンツールは今後もさまざまなニーズがあると予想されることから、順次、追加していくという。

sa_kd792.jpgPhoto 提供されるアドオンツール。ストレスのない利用環境の提供を目指す

スマホだけ買ったお客さんは苦労している

 「スマホだけを買った法人のお客さんは苦労している」――。こう話すのは、KDDIソリューション事業本部の中馬和彦氏。“どんな業務をどんな形で効率化するのか”が明確に分かるソリューションを合わせて導入しないと、端末を社員に使ってもらえないからだ。その意味では、“端末を買えばグループウェアがついてくる”という施策は分かりやすい上、企業の3大ニーズを満たすツールであることから、スマホの導入に弾みがつくと同氏は期待を寄せる。「スマホを入れたいというお客さんのモチベーションと、私たちが提供する商品の価格帯が合致すると思っている」(中馬氏)

 同社は中小企業へのアプローチに注力しており、勤怠管理や交通費精算、リモートアクセス、セキュリティなど、さまざまな企業向けスマホ/タブレットサービスの中から6種までを月額390円で使える「ベーシックパック」を提供中。ほかにも「社内のIT環境構築から内装、ソーラー発電にいたるまで、会社が困っていることは何でもやる」(中馬氏)というスタンスの「KDDI まとめてオフィス」、中小企業のサイト構築を支援する「みんなのビジネスオンライン」を提供している。こうしたサービスを通じて従業員100人未満の企業との接点ができ、直販で回れる体制が整ったという。

 今回の施策はまさに「中小企業、ど真ん中」だと中馬氏。“ネットワーク、サービス、端末を選べる自由”を武器に、SMB市場での存在感を高めたい考えだ。

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