どの商売にも通じる「売ろうとしなくとも、売れる」法則がある!? 誰がどう見ても儲かるとは思えなかったタオルの通販サイトが右肩上がりに成長するまでのサクセスストーリーを公開。
小さな会社でも「新規性」「話題性」「社会性」の3つがあれば、ブランドを作れる!
著者は自ら動き、学び、実践した結果、ブランド構築に必要なものは、「新規性」「話題性」「社会性」の3つという答えにたどり着きました。本書ではその真意とともに、独自の「マーケティング哲学」、すなわち、
などなど、どの商売にも通じる「売ろうとしなくとも、売れる」法則を公開しています。
この記事は2013年11月14日に発売された日本実業出版社の『「売らない」から売れる! どこにでも売っている商品を「ここにしかない」に変える5つの法則』(寺田元著、単行本)から抜粋、再編集したものです。
私は“タオルソムリエ”という肩書を持ち、「タオルはまかせたろ.com」という、タオルに特化した通販サイトを運営しています。その運営会社である株式会社京都工芸の代表として、社名にある京都ではなく、また、タオルの一大産地である今治(愛媛県)や泉州(大阪府)とも離れ、滋賀県の琵琶湖の近くで商売をしています。
2004年10月にタオル専門に販売するサイトをオープンしてから、次の3つのような商品だけ扱うことを信条にしています。
(1)質に自信を持てない商品は扱わない
=自分で使いたいと思えないような品は仕入れない、決して売らない。
(2)贈り物にしたくなる商品を扱う
=お客さんが、贈った相手から必ず喜ばれると思える品しか扱わない。
(3)お客さんが自分へのごほうびにしたくなる商品を扱う
=自分へのごほうびのタオルとして選んでさしあげたい品しか扱わない。
子どものときにくるまれると気持ちがよかった、あのふわふわしたお気に入りのタオル。ヨタヨタになっても使い続けたいと思ってもらえるような愛着を持てる1枚のタオルを探したい――。
そんな思いとともにオープンしたサイトですが、当初は「誰がどう見ても儲かるとは思えない」と言われながら、実際につぶれかけそうな状態が長く続きました。本連載を読んでいる皆さんも「タオルって消耗品だし、粗品でもらえるし、わざわざ買うものではない」と思っていらっしゃるかもしれません。
その後、たくさんの人との出会いによって、お店は右肩上がりで成長し続け、年商1億2000万円を突破し、現在までに182万枚のタオルを販売しています。これはネット専業のショップとして、胸を張ってよい数字だと思っています。中には、
など、私どもで企画したさまざまなオリジナル商品があります。
Webサイトを見てもらうとトップページにここかしこと私がいて、「タオルソムリエのご挨拶」というバナーをクリックすると、ワインのソムリエのような格好をしてバーンと出ているので、私のことを目立ちたがり屋のように思われるかもしれません。
もしかして、「こういう人だから、うまくいったんだ」と思う人もいるかもしれません。実際はその逆で、精神的にも強いわけではなく、これまで何度も何度もくじけそうになりました。人前に出ていくことも決して得意ではありませんでした。もっと言えば、自分の商売を「タオルでいこう」と決める前は、その場その場で生きているようなところがあり、何か壁にブチ当たるとうまく対処できないことばかりでした。
チャールズ・ダーウィンが唱えた、次のような有名な言葉があります。今振り返るとまさにその通りだと思います。
最も強いものが生き残るのではなく、
最も賢いものが生き延びるのでもない。
変化できるものが唯一生き永らえる
――チャールズ・ダーウィン
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.