連載
» 2013年12月20日 11時20分 UPDATE

知っておきたい領収書の常識:「あらゆる領収書を経費で落とす」ためには、重要な「条件」がある! (1/2)

知っているようで知らない、フリーランスのための「節税」のカギ。領収書、レシートを経費で落とすコツを具体的に教えます。

[梅田泰宏(公認会計士・税理士),Business Media 誠]

集中連載『知っておきたい領収書の常識』について

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 本連載は、2013年12月21日に発売の梅田泰宏著『経費で落ちるレシート・落ちないレシート』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 フリーランスや個人事業主として働く人にとって、領収書、レシートは「金券」のようなもの。その支払いが「経費である」と認められれば、支払う税額が減るからです。

 とはいえ、「何が経費になって、何が経費にならないのか」という基準は、誰も教えてくれません。なぜかと言えば、経費で「落ちるか」「落ちないか」という意味では、全ての領収書が「グレー」であり、ケースバイケースで、明確な基準が存在しないからです。

 しかし、実は、「落とすコツ」というものが確かに存在します。それは、具体的なケースを通してのみ、知ることができる種類のものなのです。本書は、「経費」に関する基礎知識を押さえたあと、具体的なケースを通して、経費で「落とせる基準」と「落とすコツ」を解説していきます。


 フリーランスのイラストレーター、デザイナー、文筆業、小さなお店の経営者。本連載を読んでいるあなたがどんな職業に就いていたとしても、できる限り余計な税金は払いたくないはず。もちろん納税は国民の義務ですけど、払わなくて済むモノなら……というのが人情ですよね。

 「何でウチみたいな小さなお店から、税金をごっそり取っていくんだ!」

 「何で、この経費は認めてくれないんだ!」

 タテマエはともかく、これがフツーの人の本音だと思います。

 税金は、「収入(益金)マイナス費用(損金)」で計算された金額に課税されます。例えば夫婦でやっているような小さな会社を想像してください。年間に1000万円の売上があったとしましょう。ここから夫婦が「給与」として500万円受け取ります。給与は、経費です。

 仕事をするためにはさまざまな経費が必要ですから、ここからさらに経費を差し引いていきます。経費が年に300万円だとしたら、給与と合計して800万円が売上から差し引かれます。この会社(あるいはお店)の利益は200万円になり、ここに法人税などが課税されるわけです。

 会社(法人)ではない場合は、所得税などが課税されます。しかし、「さまざまな経費」を税務署に認めてもらうには、その経費が本当に支払われたか(使われたか)を、税務署に納得してもらわなければなりません。そのための根拠になるのが、領収書やレシートなのです。

 領収書をもらっておくことは、言わば経費で使ったことを証明する第一段階です。これがないと、何にいくら必要経費として使ったかが分かりません。いわゆる「使途不明金」になってしまうのです。かといって、どんな領収書でもいい、というわけでもありません。すべての領収書が無条件で経費になるほど、税務署は甘くはありません。

 自宅で仕事をしているフリーランサーや、自宅の1階をお店にして、従業員も夫婦だけ、というような人は、会社(お店)の経費と家計の境が曖昧になりますよね。この人たちにとって、経費のかなりの部分は、「仕事に使ったとも言えるし、家計の一部になったとも言える」というものです。

 言わば、白でも黒でもない「グレー」。税務署は「クロ」(会社の経費ではない)と言い、納税者側は「シロ」(会社の経費に使った)と言う。領収書が経費になるかどうかは、このせめぎ合いである、という面があるのです。

カギは、「仕事のために使われたかどうか」です

 必ず領収書がないとダメかというと、そうでもありません。例えばクレジットカードの明細書も、立派に領収書の代わりになります。ただしそのときカギになるのは、「仕事のために使ったかどうか」ということです。

 例えば夫婦で仕事をしている人。2人がファミリーレストランで食事をしたとします。その日は得意先の人もいなくて、夫婦だけでした。この領収書は、すべて経費で落ちるでしょうか。

 夫婦とも仕事をしているわけですから、ファミレスで仕事の打ち合せをした、ということがきちんと説明が付けば、ほぼ経費になります。しかしメモもなく、会議録もなければ、「家族の夕食」扱いになり、税務調査が入ったときには「これは、仕事で使ったお金じゃないですね」といわれるでしょう。

 すべての領収書は経費で落ちます。しかし、「仕事で使ったという立証」が必要というただし書きが付くのです。立証の方法は、職種や業種、規模などによってケース・バイ・ケースです。本連載の基となった書籍『経費で落ちるレシート・落ちないレシート』では、そのレシートが経費で落ちるのかどうかという点についてさまざまな角度から見ています。

 例えば、領収書の出ない「交通費」はどうするのか。出版関係の仕事をしている人が買った「書籍」は、どんな本でも経費になるのか。レジスターから出てくる、通称「レシート」と、手書きの領収書のどっちがいいのか……などなど、いろいろなケースがあるのです。

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