コラム
» 2014年03月13日 11時00分 UPDATE

ICHIROYAのブログ:意志の力はいらない? 良い習慣を続けるための一工夫

せっかくよい習慣が身についてきたのに、意志の力が続かない――。そんな人でも、あきらめずにすむ方法があるのをご存じだろうか。

[和田一郎,Business Media 誠]

この記事は、ブログ「ICHIROYAのブログ」より転載、編集しています。


 せっかくよい習慣が身についてきたのに、意志の力が続かなくなったらどうするか――。海外ブロガー、ジェームズ・クリア氏のこんな投稿から、「チョイスアーキテクチャ」(Choice architecture)という言葉を知った。この投稿が面白かったので、抜粋して紹介しよう。

 意志の力は無限のものではなく、使い果たしてしまえば体がいうことをきかなくなってしまう。「良い習慣を日々、長期間にわたって続けることこそが成功の鍵」と分かっていても、意志の力が続かず放棄してしまいそうになるときもある。

 そんな時、人は自らの意志の弱さを嘆きがちだが、実は“意志の力は弱るときがあると認識し、それを補う環境を整えておくこと”こそが大事なのだ。

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 ちょうど、脱社畜ブログの日野さんの最近の記事に「家で仕事や勉強に集中するためにできること」という興味深いものがあった。

 彼の3つの提案のうちの2つは、

  1. カーテンを開けて外から部屋の中が見えるようにする
  2. 寝具から離れる

 というものであった。

 これこそ、意志の力が弱りそうなときに、「環境」が支えてくれるという好例だ。

 「がんばれば意志の力を維持できる」と思っている人は、意気込んで自分の部屋で仕事をしようとしても、意志力が続かず、力尽きて部屋に置いたベッドに横たわってしまうかもしれない。「がんばれない気持ちのときもある」と知っている人は、部屋にはベッドを置かない(あるいは、布団にして上げてしまう)などの環境を作って、意志力の弱まったときも、良い習慣を続けられる。

実験で環境と習慣の関係を立証

 ジェームズ氏は投稿の中で、病院の売店で行った実験を紹介している。店内のミネラルウォーターを取りやすい位置に移したところ、ソーダ類の売上が11.4%落ち、ミネラルウォーターの売上が25.8%上がったという。

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 これは、環境を変えるだけで意志の力と関係なしに、人々の習慣が良い方向へと変わったことを示す。僕は長年、百貨店で仕事をしてきた経験から、ディスプレイや棚の位置を変えるだけで商品の売上が劇的に変わることを、骨身にしみて知っている。

 だから僕は、彼のエントリー内の実験結果そのものより、「チョイスアーキテクチャ」という言葉に興味を引かれたのだ。それは、「人々が選択するときの提示のされかた」「選択するための構造」を意味する(この言葉はWikiによれば2008年に出版された「Nudge: Improving Decisions about Health, Wealth, and Happiness」という本で使われた言葉だという)。

 この、チョイスアーキテクチャという観点で考えると、工夫できるところは無限にあるような気がする。個人の生活を改善し、良い習慣を続けるため、会社やチームの効率を上げるため、そして、社会全体にわたる大きな問題を解決するためにも。そしてきっと、「チョイスアーキテクチャ」の重要性は僕らが考えているよりずっと大きいと思う。

 意志の弱さを嘆く前に、身の回りのチョイスアーキテクチャを整えることから始めてみようではないか。

著者プロフィール:和田一郎

アンティーク・リサイクル着物を国内外へ販売する「ICHIROYA」代表。昭和34年生まれ。京都大学水産学科卒業後、大手百貨店に入社。家庭用品、販売促進部など。19年勤めたのち、2001年に自主退職して起業。現在に至る。趣味はブログ執筆。


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