青色申告者の特典――30万円まで一括で経費にできる知識ゼロでもひとりでできる! はじめての青色申告(1/2 ページ)

青色申告者にとって便利なのが経費の一括化です。白色申告は10万円以上のものを購入すると資産に計上しなければなりませんが、青色申告では、30万円未満のものは減価償却をせずに一度に経費として落とせます。

» 2014年12月10日 09時00分 公開

集中連載:知識ゼロでもひとりでできる! はじめての青色申告 について

本連載は、宮崎綾子著、原尚美監修、書籍『知識ゼロでもひとりでできる! フリーランスのためのはじめての青色申告』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集しています。

シロートのフリーランスが自力で「青色申告」したら……。

 「簿記って、勉強しなきゃ無理かな」
 「どこまでが経費として認められるの?」
 「青色申告に必要な書類はどうやって作成するの?」
 「おトクな節税のポイントって?」

なるべく税金を払いたくないフリーランスの著者が自力で「青色申告」に挑戦! 青色申告ビギナーの悩みや疑問を解決するコツやノウハウを盛り込みました。

“税理士センセー”こと税理士の原尚美氏がポイントをやさしくアドバイスしながら、簡単な方法を教えてくれます。これから青色申告を始める人の強い味方となる1冊です。


青色申告なら一括経費化

 青色申告者にとって、とても便利なのがこの特例です。白色申告では10万円以上のものを購入すると資産に計上しなければなりませんが、青色申告なら30万円未満(消費税免税事業者は消費税を含めて30万円)のものは、減価償却をせずに一度に経費として落とせます。しかも年間合計で300万円までOK。

税理士センセー: 経費に入れるには条件があります。確定申告書のなかの「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(租税特別措置法第28条の2を適用する旨)」に記載することで、全額を減価償却費として経費計上できます。かつ明細書を保存しておきましょう(決算書に入力場所があります)。

これなら安心! 減価償却のやりかた

 30万円以上の機材やソフトウェアを購入したら、減価償却を行う必要があります。その手順を紹介します。仮に、飲食業の人が40万円の業務用オーブンレンジを購入した場合を考えてみましょう。

ステップ1 減価償却の耐用年数を調べる

 買ったものを毎年少しずつ費用に分けるときの年数を「耐用年数(たいようねんすう)」といいます。

 国税庁ホームページに耐用年数表があります。ここを見ると業務用のオーブンレンジは、法定上は耐用年数(機械及び装置の耐用年数表の「食料品製造業用設備」)が10年と分かります。家庭用と同等のオーブンレンジであれば6年です。

税理士センセー: 法定耐用年数を調べるのは、公式の書類ではどうしても分かりづらいです(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。調べてみて分からなければ、税務署などに問い合わせるか、無料相談会場で教えてもらいましょう。

ステップ2 減価償却費にできる金額を調べる

 今年経費にできる償却費を調べる必要がありますが、これもたいていはソフトが自動的に判断してくれます。計算には「定額法」と「定率法」という2つの計算方法があります。

 ざっくりいうと、定額法は、代金を耐用年数で割って毎年同じ金額ずつ経費計上する方法。一方、定率法は最初はたくさん経費化できて、だんだん経費にする金額が少なくなっていく、頭でっかちな経費にできる方法です。

フリーランスがよく使う「資産」
※1 決められている定額法の償却率を価格にかけ算します(耐用年数で単純に割り算した割合だと割り切れない数字が多いため)。
※2 耐用年数が2年未満の端数は切り上げ、2年以上では切り捨て。

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