青色申告者にとって便利なのが経費の一括化です。白色申告は10万円以上のものを購入すると資産に計上しなければなりませんが、青色申告では、30万円未満のものは減価償却をせずに一度に経費として落とせます。
本連載は、宮崎綾子著、原尚美監修、書籍『知識ゼロでもひとりでできる! フリーランスのためのはじめての青色申告』(日本実業出版社)から一部抜粋・編集しています。
シロートのフリーランスが自力で「青色申告」したら……。
「簿記って、勉強しなきゃ無理かな」
「どこまでが経費として認められるの?」
「青色申告に必要な書類はどうやって作成するの?」
「おトクな節税のポイントって?」
なるべく税金を払いたくないフリーランスの著者が自力で「青色申告」に挑戦! 青色申告ビギナーの悩みや疑問を解決するコツやノウハウを盛り込みました。
“税理士センセー”こと税理士の原尚美氏がポイントをやさしくアドバイスしながら、簡単な方法を教えてくれます。これから青色申告を始める人の強い味方となる1冊です。
青色申告者にとって、とても便利なのがこの特例です。白色申告では10万円以上のものを購入すると資産に計上しなければなりませんが、青色申告なら30万円未満(消費税免税事業者は消費税を含めて30万円)のものは、減価償却をせずに一度に経費として落とせます。しかも年間合計で300万円までOK。
税理士センセー: 経費に入れるには条件があります。確定申告書のなかの「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(租税特別措置法第28条の2を適用する旨)」に記載することで、全額を減価償却費として経費計上できます。かつ明細書を保存しておきましょう(決算書に入力場所があります)。
30万円以上の機材やソフトウェアを購入したら、減価償却を行う必要があります。その手順を紹介します。仮に、飲食業の人が40万円の業務用オーブンレンジを購入した場合を考えてみましょう。
買ったものを毎年少しずつ費用に分けるときの年数を「耐用年数(たいようねんすう)」といいます。
国税庁ホームページに耐用年数表があります。ここを見ると業務用のオーブンレンジは、法定上は耐用年数(機械及び装置の耐用年数表の「食料品製造業用設備」)が10年と分かります。家庭用と同等のオーブンレンジであれば6年です。
税理士センセー: 法定耐用年数を調べるのは、公式の書類ではどうしても分かりづらいです(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)。調べてみて分からなければ、税務署などに問い合わせるか、無料相談会場で教えてもらいましょう。
今年経費にできる償却費を調べる必要がありますが、これもたいていはソフトが自動的に判断してくれます。計算には「定額法」と「定率法」という2つの計算方法があります。
ざっくりいうと、定額法は、代金を耐用年数で割って毎年同じ金額ずつ経費計上する方法。一方、定率法は最初はたくさん経費化できて、だんだん経費にする金額が少なくなっていく、頭でっかちな経費にできる方法です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.