未来を予測するにはコツがある頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた(1/2 ページ)

会社を維持、発展させていくためには、これからどんなタイミングでどのくらいの資金が必要になるのかを予測する力を付けなければなりません。

» 2015年03月03日 05時00分 公開
[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「頼られる人になる「経理アタマ」の鍛えかた」から一部抜粋・編集して掲載しています。


 先日あるクライアントの経理担当者に会社の資金繰り表を作成してもらいました。会社の資金繰りがヤバイことになりそうな感じだったからです。しばらくしてでき上がった資金繰り表をもらい、ざっと見たところ、ヤバイと予測していた資金繰りがそうでもないのです。詳細を確認すると、あることに気付きました。

 提出された資金繰り表には、請求書などで確定している入金と支払いの数字のみが記載されていました。通常は毎月支払いがある仕入代金でも、金額が確定していないものはブランクになっていたのです。これではヤバイと予想していた資金繰りもそうではなくなります。私の指示が悪かったのでしょう、ブランクの所に予測値を入れると、予想どおりヤバイ資金繰りとなりました。

分かる範囲で予測する

 経理担当者がブランクにした気持ちはよく分かります。経理担当者は根が真面目なので、推測で数字を入れた後で、その数字が実際には違っていたときの混乱を防ぎたかったのだと思います。

 「この間の資金繰り表と実際の結果が異なっているじゃないか!」と言われないようにしたかったのです。だから、はっきり確定している数字しか資金繰り表に織り込んでいなかったのです。

 確かに、将来の計画を立てようとすると分からないことがたくさん出てきます。しかし、分からないからといって、そのままでいいわけではありません。

 頼られる経理になるためには、分からないとあきらめるのではなく分かる範囲で予測をします。結果として予測が外れても、分からないからブランクとしているよりは、予測して数字を入れたほうが結果の数字とズレていないはずです

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