キーボードを使ってAdobe Readerをより素早く操作するための、選りすぐりのショートカットを5つ紹介する。
保管コストの削減や劣化の防止、検索性の向上、再利用の促進――。こうしたさまざまな利点が認められ、徐々に広がりつつある紙の文書や帳票のデジタルデータ化ですが、用途や目的を考えずむやみにスキャンすると、かえって効率が悪くなったり、作業に手戻りを発生させてしまうこともあります。
また商法や税法で保管が義務付けられている文書の場合、電子帳簿保存法やe-文書法などのルールに則った手順を踏む必要があり、自分の判断でやみくもにデータ化するわけにいかないといった事情もあります。
本連載ではこうした現在の状況を踏まえつつ、文書のデータ化にまつわる情報、さらにはフォーマットであるPDFや変換機器であるスキャナ、保存先となるストレージに至るまで、業務現場と情報システム部門に役立つ知識やTips、活用術を幅広く紹介していきます(著者より)
いつ、どこから、どんなデバイスからでもデジタルデータを参照したいというニーズが高まるにつれ、これまでテキストやMicrosoft Wordなどで参照していたファイルをPDFに置き換えるケースが増えている。それに伴って、Adobe ReaderでPDFを参照する機会も増えつつある。
今回は、キーボードを使ってAdobe Readerをよりすばやく操作するための、選りすぐりのショートカットを5つ紹介しよう。
複数のPDFを開いている場合、この「Shift+Ctrl+L」というショートカットを押すことでウィンドウが横方向に自動整列する。あとから開いたウィンドウがつねに左側に配置されるというルールを知っておけば、並び順を入れ替えるのもたやすい。
また、最小化していると整列の対象から外れるので、例えば3つのウィンドウのうち2つだけを左右に並べたければ、不要なウィンドウを最小化したのち「Shift+Ctrl+L」を押すとよい。
画面の上部にあり、「ファイル」「編集」「表示」などテキストのメニューが並んでいるのがメニューバー、その下段にあり、アイコンが並んでいるのがツールバーだ。画面を少しでも広く使いたい際、F9を押せばメニューバーを、F8を押せばツールバーを非表示にできる(もう一度押すと再表示される)。このほか、サムネイルや目次が表示される画面左側のナビゲーションパネルを開閉するには「F4」を用いる。
プレゼンテーションなどで使うための全画面表示に切り替えるには「Ctrl+L」を用いる。プレゼンのほか、画面上に表示したPDF資料を同僚などに見せる時に、ほかのウィンドウを見せたくない場合にも便利だ。解除するにはもう一度「Ctrl+L」を押すか、Escキーを押せばよい。
開いているPDFの中で任意の語句を探すにはご存知「Ctrl+F」を用いるが、フォルダ内にあるすべてのPDFに対して全文検索を行う場合は「Shift+Ctrl+F」を用いて検索ボックスを表示させ、対象のドライブもしくはフォルダを指定して検索を実行する。
この方法を知っていれば、1つずつファイルを開いて目的の箇所を探さなくとも、該当のファイルを一発で突き止められる(言うまでもないがPDF内の文字がテキストデータ化されていることが前提だ)。
「Ctrl+A」はご存知の通り「すべてを選択」にあたるショートカットだが、Adobe Readerではこのショートカットがちょっとした便利テクニックとして使えることをご存知だろうか。
このCtrl+Aを押した際、PDF上のテキスト部分がデータ化されていれば文字列が選択状態となり、そうでなければ何も起こらないので、スキャンして生成したPDF内の文字列がテキストデータ化されているかどうかをチェックするのに使えるのだ。地味ながら知っておくと便利な小技だ。
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