土肥: 繰り返しになりますが、業績がいいのは「既存店の売り上げを伸ばした」から。そのためにストアレベルマーケティングを導入されて、いわば全国の店で多様性を感じられるようにしたわけですよね。結果、お客が増えた。「一件落着」と言いたいところですが、まだお聞きしたいことがあります。ココイチは3月に、トッピングを一部値上げされたにもかかわらず、客数が増えているんですよね。これはどのように分析されていますか。
宮崎: 短期的な話を分析するのは難しいので、ここでは中長期の話をさせてください。「店舗の快適性」を高めるために、当社では2005年から改装を進めてきました。例えば、旧型店舗の中には和式トイレがありましたが、リニューアル後は洋式トイレを導入しました。郊外店舗の中には、車イス対応にしたり、ベビーシートなども装備しました。
メニューは子ども用だけでなく、赤ちゃん用のベビーフードも用意しました。正直に言うと、赤ちゃんを連れて来店されるケースは少ないのですが、「ココイチに行けば、ベビーフードがあるよね」と思っていただくことが重要なのではないでしょうか。
また、コストはかかりますが、ボックス席も増やしました。テーブルは動かないようにして、子ども用のイスを装着できるようにしているんですよね。さらに、視線にも配慮しているんです。
土肥: 視線? どういう意味でしょうか?
宮崎: 隣のお客さんと席が近い……と感じる店がありますよね。距離が近いので、どうしても目が合ってしまう。ココイチでは隣で食べている人と目が合わないような設計をしているんです。テーブルとテーブルの間にパーテーションを設置しています。
こうした改装は、10年ほどかけてやったんですよ。ここまで時間をかけてやったところは、ココイチくらいじゃないでしょうか。他社はもっと短期間にされますよね。一気にイメージチェンジをされる。
土肥: 逆に、なぜ10年間も時間をかけたのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング