社会的な成功に惑わされてはいけない。そこで成功するのは簡単さ。自分を露出するだけでいい。(ジョルジオ・アルマーニ)
これまで、出世について連載してきましたが、そもそも出世している方、一流の人たちに多くみられる「謙虚」や「おおらか」というイメージは、一体どこからやってくるのでしょうか。
彼らが持つそのようなイメージは、単に「いい人」というのではありません。むしろ、彼らの日々の行動や気遣いは、他人が気付かないほど繊細でささいなことのように思います。
「自らが広告塔になって、メディアなどにバンバン出ているときはまだまだ成長過程。ポッと姿を消したときこそ、その人が“天にいるか地獄にいるか”を判断できる」と、某中小出版社のA社長は話します。
メディアに露出するとたくさんの人が寄って来ますが、それは社内出世でも当てはまるのではないでしょうか。出世すれば飲み会、会食など、たくさんの人に囲まれるでしょう。そのときの行いで、後々、“天にいくか地獄にいくか”が決まると、Aさんは続けます。
「成功して、周りの人たちと一緒に盛り上がるのはいいことだけれど、ここで気を付けなくてはならないのは、皆、何かしら思惑があって近づいて来ているということ」
お祝いをされると、ついつい「おごって」しまうかもしれませんが、「おごる」という行為の中にも、一流になる人にはポイントがあるそうです。
自らの意思で寄って来たにもかかわらず、彼らの多くは多少なりとも嫉妬を秘めています。ですから、「おごるよ」とストレートに言ってしまうと、本人は特に横柄なつもりはなくても、周りは「ちょっと成功したからと言って……」と感じたり、「ここは……じゃなくて、ずっとお前がおごれよ」などと捉えられかねません。
しかし、出世をされる方は抜かりなく、ただ一言「たまには格好付けさせてください」と、スマートに支払いを済ませます。すると、「なんて謙虚な人なんだ」というイメージが付くのです。
おごるときも、「上から目線」ではなく「下から目線」で。スマートに支払うのが一流の人のようです。
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