“Luxury must be comfortable otherwise it is not luxury.”
ぜいたくとは居心地がよくなること。そうでなければ、ぜいたくではありません。(ココ・シャネル)
出世を望んでいる、あるいはもう出世した人たちの多くは、遊びやファッション、食事などにお金や時間をかけて、一度は「ぜいたく」をしています。接待ではなく、プライベートで銀座で飲むことも、ぜいたくに入るでしょう。
昨今は、多くの男性は「節約」や「預貯金」をされていますが、出世を望んでいる人たちはどうしてあくせく働いて手にした給料と引き換えにぜいたくを買うのでしょうか? そして、一流の出世族になっていくのはなぜでしょうか?
今回は「ぜいたく」について、考えてみます。
「たくさんの欲にかられてがむしゃらに働き続けていると、不思議といろいろなことに興味や欲がなくなる時期がある。これはつまり、知らない世界ではなくなったということだと思う」
こうお話してくれたのは、樹脂メーカーの社長Aさん(40代後半)。Aさんは40代前半まで、高級車や高級ブランドファッション、時計など、あらゆることにお金をつぎ込んだそうです。しかし、今ではその欲はすっかり消え、自転車とスキューバダイビングがご趣味だそう。休日はプチプラの服を着て、ツーリングを楽しんでおられるそうです。
「もちろん、ちゃんとした場ではそれなりの格好をするけれど、昔のように休日のスポーツウェアに何十万円も払うことはなくなった。今までは、手ごろな値段のモノから高級ブランド品まで一通り試して、ある程度のブランド品は攻略した。そのうえで、これがいいとかあれがいいとか選べるようになった。ちょっと見ただけで『あんなモノに意味ない』っていう人がいるけど、それはどうかな。食わず嫌いと一緒だからね。何でも一度は自分で試すのが大事だと思うんだ」
Aさんいわく、「ぜいたく」とは、テーマパークの入場料みたいなものだとおっしゃいます。
「入場料を払わないでいるといつまでも蚊帳の外で、実際、それが本当に楽しいのかそうでないのか分からないままだろう? 他人にとって楽しいものでも、自分はそうじゃないかもしれない。だから、ぜいたくとは自分が実際に体験して取捨選択するものだと思う。僕は、出世と欲はイコールだと思っているから、管理職には『後輩からうらやましいと思われる存在になれよ』っていつも話している。そのために給料も高くしているのだから」と。
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