このようにバランスが崩れたとき、深夜営業が“足かせ”になることもある。防犯という重要な項目すらも無視しなければ経営が成り立たないという事態になるのだ。これらのジレンマを考え尽くしたとき、誰もが1つの考えに行き着くはず。
「コンビニの24時間営業という前提こそが間違っている」という考え方だ。
売り上げがなければ、深夜に営業する必要はない。深夜1人体制がどうだこうだと考える必要すらない。売り上げがあれば、さらなる利益を求めて営業時間を伸ばせば良い。ただそれだけのことなのだ。
しかし、この考え方は現在のコンビニチェーンシステムを否定した考え方である。ドミナントによる納品、発注、売上管理のすべてをシステムに依存している。店舗ごとに納品時間を勝手に決められない以上、深夜の集中納品を処理する人員がどうしても必要になり、深夜に人員を配置する以上、閉店しておくのはかえって無駄であるとも言える。
24時間営業が当たり前となってしまったコンビニは、表であり裏でもある“メビウスの輪”のようなジレンマを抱えながら、これからも歩み続けなければならないのだろうか。
元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿」
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