新春トレンドカレンダー:どうなる? 日本の未来 〜今年のトレンドはこう動く〜

コンビニ合併話に浮上するチェーンはどこか 2016年は「再編地固めの年」コンビニ探偵! 調査報告書(特別編)(4/4 ページ)

» 2016年01月03日 08時24分 公開
[川乃もりやITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

2016年は「再編地固めの年」

 先ほどもご紹介したが、ミニストップ以外で合併話に浮上する可能性が高いのがセーブオンである。セーブオンは群馬県を中心に関東甲信越地域に展開しているが、今後どのような動きを見せるのか予測が難しい。というのも、合併するメリットが見い出せないからだ。

 失礼を承知で言うと、セーブオンは特色の少ないチェーンだ。例えば、ローソンはポプラを合併すれば、ポプラの手作り弁当のノウハスを手にすることができる。ファミリーマートはサークルKサンクスを手にすれば、東海地区の勢力を手にすることができる。

 セーブオンの群馬県の店舗数(179店)はファミリーマート(111店)やローソン(100店)より多いが、「全く追いつけない、ダメだ」という差ではない。ということはファミリーマート、ローソンともに大金を投じてまで手に入れたいか? と問われても「うーん、どうしようかな」と即答できないはずだ。


 ここまでコンビニ業界の再編・合併話を中心に紹介してきたが、2016年は「再編地固めの年」だと考えている。「合併すれば、店の看板くらいすぐに取り替えることができるでしょ」と思われたかもしれないが、それほど簡単な話ではない。フランチャイズという業態なので、各チェーンとオーナーとの間に交わされた契約がネックになっているはずで、それをひとつひとつ解決していかなければいけない。地道な作業である。

 外から見ていると、新しいチェーンに看板が替わることは、まるで「リバーシ(オセロ)」で黒から白に一気にひっくり返るイメージがあるかもしれないが、水面下では膨大な作業を強いられているのだ。そう考えると、ファミリーマートとローソン、どちらが先に看板替えに成功するかが楽しみである。

 そして、次の合併話に浮上するチェーンはどこなのか。2016年も楽しみな1年になりそうである。

著者プロフィール・川乃もりや:

 元コンビニ本部社員、元コンビニオーナーという異色の経歴を持つ。「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」を目の当たりにしてきた筆者が次に選んだ道は、他では見られないコンビニの表裏を書くこと。記事を書きながら、コンビニに関するコンサルティングをやっています。「コンビニ手稿


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.