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» 2016年06月23日 08時00分 UPDATE

世界を読み解くニュース・サロン:なぜ世界各地の都市で「夜の市長」が注目されているのか (1/4)

世界各地の都市で、新しい役職の存在が注目されている。「ナイト・メイヤー(Night Mayor)」だ。直訳すると「夜の市長」になるわけだが、彼らはどのような仕事をしているのだろうか。

[山田敏弘,ITmedia]

世界を読み解くニュース・サロン:

 今知るべき国際情勢ニュースをピックアップし、少し斜めから分かりやすく解説。国際情勢などというと堅苦しく遠い世界の出来事という印象があるが、ますますグローバル化する世界では、外交から政治、スポーツやエンタメまでが複雑に絡み合い、日本をも巻き込んだ世界秩序を形成している。

 欧州ではかつて知的な社交場を“サロン”と呼んだが、これを読めば国際ニュースを読み解くためのさまざまな側面が見えて来るサロン的なコラムを目指す。


 世界中どこにいっても、人々が暮らす場所には市区長村などを統率する首長が存在する。

 彼らは地域の行政に責任をもち、市民生活を向上させるために日々働いている(と願う)。ほとんどの首長は、役場が開いている昼間の時間帯に仕事をする。9時〜17時で働いている、というイメージをもつ人が多いだろう。

 ところがこうした首長とは一線を画す、新しい役職の存在が世界的に注目されている。「ナイト・メイヤー」だ。

 英語で「Night Mayor」と書くこの役職は、「夜の市長」と訳すことができる。つまり、ナイト・メイヤーとはその名の通り、昼間の市長とは別に、夜の行政を専門に担当する責任者のことを指す。そして今、このナイト・メイヤーが欧州各地で誕生しており、その存在が世界的に話題になっているのだ。しかも今後、世界各地で同様のポストが設置される可能性があるとも言われている。

 2016年4月、オランダの首都アムステルダムで、世界初の第1回「ナイトメイヤー・サミット」なるものが2日にわたって開催された(参照リンク)。同じ時期にアムステルダムで行われていたEU(欧州連合)の「市長サミット」に合わせて行われたこの会議では、昼・夜の市長や行政関係者、さらに起業家など世界各地から200人ほどが参加した。ナイト・メイヤーについての集まりだけあって初日は夜20時にスタートし、主に5つのテーマで講演や議論が行われた。そのテーマとは、「夜間の経済」「公衆衛生と政治」「都市空間の再定義」「モビリティ」「ナイト・メイヤーへの道」だ。

 なぜ第1回の国際会議がアムステルダムで行われたのか。その理由は、世界で初めてナイト・メイヤーが誕生した都市がアムステルダムだからだ。

世界各地の都市で「ナイト・メイヤー」が誕生している(写真はイメージです)
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