2017年4月に実施予定の消費税増税を、2019年10月へ再延期する意向を安倍首相が表明した。社会保障の財源確保に増税は不可避だが、消費税増税が一向に上向かない個人消費をさらに悪化させ、日本がデフレから脱却するのが困難になることを憂慮したのだろう。
世界経済の減速懸念を表向きの理由に挙げ「新しい判断」で決断したとしているが、首相自身が約束した増税を再延期することになった以上、アベノミクスが現状では成功していないことを素直に認めるべきだと国民の多くは感じたはすだ。それでも、10%への消費税増税がひとまず延期(7月の参議院選挙後の臨時国会で、法改正を行う必要があるが)されることが事実上決まり、多くの国民はほっとしたのかもしれない。
読売新聞による調査で、消費増税延期を「評価する」は63%で「評価しない」の31%を大きく上回ったという調査結果からも、国民の消費増税に対するアレルギー体質がよく分かる。
しかしながら、これで政府債務の増大を抑えるための基礎的財政収支の黒字化は遠のき、社会保障制度の持続はますます困難になったといえよう。また、消費増税が先送りされたことで国民の将来への不安は逆に高まり、生活必需品以外への支出を抑える傾向はむしろ高まることは想像に難くない。
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