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» 2016年10月29日 06時30分 UPDATE

出荷数が1.5倍以上に! 「ゴールデンカレー」は何を改革したのか? (1/2)

カレールー市場が伸び悩む中、エスビー食品のロングセラー商品「ゴールデンカレー」も売り上げアップを目指してブランド改革を進めている。既にその成果は目に見える形で表れてきたという。

[伏見学,ITmedia]

 一昔前に比べて、スーパーマーケットなどの店頭に並ぶ即席カレー(カレールー)の商品数が格段に増えているのを実感している人は多いはずだ。

50年前からエスビー食品が販売する即席カレー「ゴールデンカレー」 50年前からエスビー食品が販売する即席カレー「ゴールデンカレー」

 全日本カレー工業協同組合によると、レトルトカレーの台頭や少子化などによって、カレールーの生産量そのものは減少傾向にあるものの、最近では、例えば植物油を使用した健康志向の商品開発にメーカー各社が力を入れるなど、消費者ニーズの多様性に合せるべくさまざまな新商品が登場し続けているのである。

カレールーの生産量推移。全日本カレー工業協同組合の資料を基に作成 カレールーの生産量推移。全日本カレー工業協同組合の資料を基に作成

 このように生存競争の激しい同領域において、あるロングセラーブランドが改革に取り組んでいる。発売からちょうど50周年を迎えたエスビー食品の「ゴールデンカレー」だ。

 現在、国内の家庭用即席カレー市場規模は約460億円で、ハウス食品が約60%のシェアを持つ。続くエスビー食品が約24%と、両社には倍以上の開きがある。その差を少しでも詰めようと、エスビー食品は数年前からゴールデンカレーの販売強化に乗り出している。新商品開発や顧客ターゲット層拡大といった取り組みが功を奏し、2012年度に比べて2015年度の出荷実績は1.5倍以上になった。

30〜40代にも訴求

 エスビー食品は1923年に創業。日本で初めて国産カレー粉を製造した会社だ。当時からカレーは大衆に人気の食事だったが、戦後、人々の暮らしが豊かになるにつれてカレーの消費量も増大。そうした中、より手軽に食べたいというニーズから、各社が即席カレーの開発に取り組んだ。ゴールデンカレーは1966年に発売。同社の強みであるスパイスやハーブの本格的な味わいを出すために、ハウス食品の「バーモントカレー」などよりも数年遅れての販売開始となった。

 日本の経済成長とともに即席カレー市場も拡大を続けたが、バブル崩壊以降の長引く景気低迷や、上述したような理由などから市場は伸び悩んでいる。そこでエスビー食品でも約5年前から戦略の転換を図るようになった。

 これまでゴールデンカレーの購入者は高品質志向の50代が中心だったが、30〜40代に裾野を広げるために、ターゲット層に支持の高い女優の吉田羊さんをイメージキャラクターとして起用するなど、ブランディングの見直しを図った。

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