ハリルホジッジ監督は代表選手たちに対し「先発を取り続けなさい。先発を取れるクラブに行きなさい」と言い続けている。サウジ戦で先発から外されたMF香川真司(ドルトムント)やFW岡崎慎司(レスター)と同じく今の本田も残念ながら、その基本条件をクリアできていない。FW大迫勇也(ケルン)、そして2列目右の久保、トップ下を任された清武弘嗣(セビージャ)、左の原口らロンドン・リオ五輪世代のフレッシュな若手たちが躍動し、難敵のサウジを下したハリルジャパンは結果を出したことで今後も指揮官のそのスタンスを不変のものとして貫くだろう。
そうなると最も厳しい立場に追い詰められるのが、何を隠そう本田である。香川や岡崎以上に所属クラブのACミランから戦力外に近い扱いを受けているからだ。いや、現地からの情報を聞く限り、ミラニスタ(ミランのサポーター)から今や「不良債権」とまで酷評されてしまっている。
結論から先に言うと、本田は今冬にACミランを去って常時出場できるクラブに移籍できなければ、そのまま落日を迎えることになってしまうかもしれない。日本代表でも、そして所属先でも行き場所を失っている八方塞がりの状況は自身の選手生命を脅かす危険性があるほどの「レッドゾーン」と言い切れる。
ミランにおける本田の現況は「悲惨」のひと言だ。今シーズンはここまでセリエA公式戦で3試合に出場したのみ。しかも先発に限って言えば、10月25日に行われたジェノア戦のわずか1試合だけで、ここでも敗戦につながる失点に絡む痛恨のミスを犯すなど終始低調かつ消極的なプレーによってアウェーのサポーターたちを大いに喜ばせてしまった。
ACミランを率いる就任したばかりのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は本田を評価していない。本田について「彼はミランの一員だ」と一応は述べているものの、実際のところは23歳のMFスソを不動の右ウイングとして考えており、他にも21歳のFWエムバイェ・ニアンら若手選手たちの台頭によって背番号10を完全につまはじきにしてしまっている。
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