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» 2017年11月09日 07時30分 公開
[山田敏弘ITmedia]

「会社」について聞かなかったらどうなるのか

 ブライアン氏は数多くの経営者たちへの取材を生かして、全米の大学やビジネススクールでゲストスピーカーなどを行ってきた異色のビジネスジャーナリストだ。米ニューヨーク州のコロンビア大学では「リーダーシップ実習」の授業を行っている。

 そんなブライアント氏はこれまで、リーダーシップについての本を2冊出版している。1冊目の『ザ・コーナー・オフィス 〜CEOたちから組織をリードして成功するために学んだ絶対不可欠で思いがけない教訓〜』はベストセラーとなっている。筆者もこのビジネス本を読んで、いくつか興味深い話を記憶している。例えば「CEOたちは、聞く耳を持ち、学び、何がうまくいって何がうまくいっていないのか、それはなぜなのかを見極め、修正を重ねていくのである」という。

 この手の話は、ビジネスパーソンのみならずどんな業界にも通用する話ではないだろうか。彼の著作は、基本的には社長をインタビューして学んだことがベースになっている。日本語訳が出版されていないのは残念だが、辞書を引きながらでも英語で読んでみる価値のある本と言えるかもしれない。

 そもそもコーナー・オフィスは、2009年にブライアン氏が「会社社長をインタビューして会社について聞かなかったらどうなるだろう」という漠然とした考えからスタートした連載だった。かつて、毎週どのようにして取り上げる社長を決めているのかと問われて、彼はこう答えている。

 「私のほうから接触する人たちもいたが、毎日、PR関係の人たちから10〜15人の候補の提案を受けていた。彼らと関係のあるCEOをインタビューしてほしいと要請されるのだ。彼らは会社の年商や利益、新製品、新戦略について話したがるが、私はそうしたものに興味がない。CEOがどう会社を率いてマネージメントしているのかについて明確で詳細な情報を伝えてくれれば、彼らはリーダーシップや管理といったものを深く考え、クリエイティブな考えをしていると受け止めることができるので、もっと話を聞こうと思う可能性がある。私は十分に準備をして、正しい人を選んでいるのかを確認する。そうすることで毎週のコラムから読者が多くを学べるような、いい読み物になるように検討するのである。多くの人を却下するが、直感で決めることも多い。会社の大きさなど、従来の会社の評価方法は使わない」

ブライアン氏は会社の業績などには興味がなかったという

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