ブライアント氏によれば、そんなふうに選ばれた525人のトップビジネスパーソンには、実はキャリアを登っていく軌跡に明確な共通点はないという。というのも、それぞれが独特なケースであるからだ。
もちろん「努力家」で「忍耐強い」といったことは共通しているが、それは成功の大前提であり、彼は特筆すべきことではないと主張する。ただその上で、いくつかトップビジネスパーソンに対して共通項として感じたことがあるという。その要素を3つ紹介したい。
(1)トップビジネスパーソンになる人は、とにかく好奇心が旺盛。ブライアント氏は「応用好奇心」と呼んでいて、とにかく、いろいろなことに興味を示して疑問をもち、物事がどう動いているのか、なぜ物事がうまくいっているのかなどについて知りたがる。人のストーリーにも興味を持っている人も多かったという。
(2)チャレンジすることが好きな人が多い。不快な状況、つまり楽ではない状態にいることが好きなトップが多いという。「火の近くにいるのが心地いい」と言ったCEOもいたと述べている。うまくいかないからチャレンジしてそれを超えていくことで、その先に成功が見えてくるということだろう。
(3)トップを狙うために大きなビジョンは必要だが、それよりもまず目の前にある仕事を成功させ、それを積み重ねることで、キャリアを向上させていくスタイルが多い。そうすれば、周囲があなたを信用し、当てにし、気が付けば皆を引っ張る存在になる。自分のビジョンに近付いていけるというわけだ。
もうお気付きかもしれないが、こうした要素はすべて「当たり前」のことだということだ。特段新しいわけでもないし、意外性もない。「言われなくても分かっているよ」と言う人もいるかもしれない。ただ確かなことは、こうした当たり前のことを実践してきた多くの人たちが、米国の企業ではトップに君臨している、ということだ。
こう書くと「日本と米国は違う」と突っ込む人もいるかもしれない。確かに日米で違いはあるかもしれないが、世界のどこにいても何かを達成させるにはこうした要素が不可欠ではないだろうか。
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