6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由水曜インタビュー劇場(99.7%公演)(4/5 ページ)

» 2018年02月14日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

快適に過ごしてもらうために

土肥: 東京の中心部で「会社の近くに住みたいなあ」「駅から近いところに住みたいなあ」となれば、家賃が高いですよね。20平方メートルのワンルームに住もうと思っても、10万円を超えるモノが多い。じゃあ、安い物件はないかなあと探すと、築30年以上で、トイレ・風呂は共同だったりする。

 両極端の物件しかないので、あきらめてちょっと郊外で……という人が多かったかもしれません。そんな人に、狭い物件はウケているのかもしれません。家賃は相場よりも安くて、築年数は浅くて、トイレとシャワーは完備しているので。

 部屋を狭くするために、どのような試行錯誤を重ねたのでしょうか。またベストの間取りを発見するまで、どのようなことを試してきたのでしょうか。

QUQURIのキッチン

仲摩: 部屋は狭くても快適に過ごしていただくために何をしたのか。例えば、天井を高くしました。アパートの場合、床から天井までの距離は「柱の太さの30倍まで」と定められています。そこで何をしたのかというと、一般的な木造アパートよりも15%太い12センチ四方の柱を採用しました。そうすることで、3メートル60センチの天井高を確保することができたので、ロフトでも膝立ちできるほどの高さを設計できるようになりました。

 また部屋を広く感じてもらうために、窓を2つ設けました。光をたくさん取り入れることによって、開放感を味わうことができますよね。当初、フローリングの色はブラウンの濃色であったり、木目調のナチュラルな色にしたりしていたので、ちょっと暗かった。暗いとどうしても部屋が狭く感じるので、いまではフローリングやクロスなどを白色で統一しています。

 あと、湯船のある風呂は設けず、立ったまま体を洗うシャワールームを採用しました。ワンルームで暮らしている人に話を聞いたところ、湯船には浸からず、シャワーで済ませている人が多いんですよね。ちなみに、洗面台は設けていないので、洗顔や歯みがきなどはキッチンでお願いできればと。

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