インタビュー
» 2018年02月14日 08時00分 公開

水曜インタビュー劇場(99.7%公演):6畳弱の狭い物件に、住みたい人が殺到している理由 (5/5)

[土肥義則,ITmedia]
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数ミリ単位で勝負している

ワンルームで湯船に浸かる人は少ないので、シャワールームを設置した

土肥: 外側の共用廊下も狭いですね。幅は90センチほどなので、前から人が歩いてきたら肩と肩がぶつかりそう。

仲摩: 玄関のドアを開けるとほぼふさがってしまうので、人は通行できません。ただ、1人暮らしが多く、住人の生活リズムもバラバラなので、廊下ですれ違うことは少ないのではないでしょうか。部屋を出るときに、「廊下で誰かが歩いているなあ」といった気配を感じることがあれば、その人が前を通り過ぎてから部屋を出ればいいのではないでしょうか。共用の廊下を広くしても家賃収入を生まないので、そこにスペースを使うのであれば、部屋を1つ増やしたほうがいいのではといった考え方でやっています。

土肥: て、徹底していますね。

仲摩: 廊下の幅を狭くするのにも、実はルールがあるんですよ。建築基準法や自治体の安全条例などで、アパートの1フロア当たりの床面積が100平方メートルを超える場合、廊下幅は1メートル20センチ以上でなければいけません。当社が設計するアパートは基本的に1フロア当たり100平方メートル以下に抑えているので、土地が広ければ1区画を分割して、アパートを2棟建てることもあります。

土肥: 数センチ単位で勝負しているわけですね。

仲摩: いえ、数ミリですね。ムダを徹底的に削ることで、どういう効果があったのか。アパート経営の利回りは一般的に5%ほどと言われているのですが、QUQURIの場合は7%ほどを実現できています。

土肥: ということは、入居率も高い?

仲摩: 99.7%です。このように言うと「順調にビジネスが進んでいるなあ」と思われるかもしれませんが、そうではありません。このビジネスを手掛けた当初の図面を見るたびに、「いまならあと2部屋は増やせるのになあ」と後悔しています(涙)。ワンフロアで2部屋増やせるということは、3階建てであれば6部屋の収入が入ってくるわけですから、申し訳ない気持ちでして。

 このほかにも、建築資材の高騰を予測できなくて、造れば造るほど損失が膨らんだり、新築物件を建てる際に地元住民の方たちにきちんと説明することができなかったり、うまくいかなかったことは山ほどあります。

土肥: 23区で結果を出したとなれば、次は大阪市内での展開を考えているとか。

仲摩: いえ、考えていません。ただ、海外に魅力を感じています。例えば、シリコンバレーにつくることができるのではないか。インド工科大学に通う学生向けにつくることができるのではないか。ぼんやりと考えていますが、実現できるかどうかは分かりません。可能性は高くはないですが、ゼロでもないといった感じですね。

(終わり)

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