必殺・新人つぶし! ――裸になれない“小ジジイ”の壁新連載・河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(3/5 ページ)

» 2018年04月13日 07時00分 公開
[河合薫ITmedia]

新人の命運を握る「最初に出会った上司」

 新入社員は入社後、組織社会化という過程を経ることで、会社に適応します。組織社会化では、

  • 自らに課せられた仕事を遂行する
  • 同僚や上司と良好な人間関係を築く
  • 組織文化、組織風土、組織の規範を受け入れる
  • 組織の一員としてふさわしい属性を身に付ける

 といったことが課題となり、組織社会化に成功した個人は、その後は順調なキャリアを重ねることができます。

 新入社員の組織社会化において、最大の課題は「役割の獲得」です。会社で確固たる居場所を得て、自分がやるべきことを見いだし、自分の役割を獲得していくことで、新入社員は組織の一員となっていきます。

 その過程に大きな影響を及ぼすのが、“最初に出会った上司”です。

 新入社員たちに与えられる最初の仕事は、多くの場合、簡単な事務作業や雑用になりがち。右も左も分からない新入社員たちは、上司から的確なフィードバックを得られなかったり、与えられた仕事について納得のいく説明をされなかったりすると、自分の役割を見いだせず、組織に適応できません。

 ここが上司の出番です。つまり、どういう“手ほどき”を上司がするかで、新入社員の“その後”が決まっていくのです。

photo 最初に出会った上司の“手ほどき”によって、新入社員のその後が決まる

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