ホンダのロボット芝刈り機は、日本でも普及するのかあの会社のこの商品(4/4 ページ)

» 2018年04月16日 07時17分 公開
[大澤裕司ITmedia]
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日本では草刈りのニーズが見込める

 そして2017年に、日本と米国でもMiimoを投入した。欧州での発売から5年後に発売となったが、商品企画を担当するホンダの田淵陽之さん(パワープロダクツ事業本部事業企画部事業企画課 主任)は「ロボット芝刈機を先行販売した欧州で経験を積み、技術を醸成した上で、ホンダが生まれた日本でも投入することは、もともと視野に入れていました」と話す。

 ただ、芝が身近な欧州と違い、日本では身近とはいえない。その違いは販売ターゲットに表れ、欧州では一般家庭であったが日本では施設や事業主になった。

 日本ではなじみの薄いロボット芝刈機を施設や事業主に売るというのは、ホンダにとっても新たな試み。年間販売台数200台という目標に向けて試行錯誤中だが、手始めに17年5月に開催された「国際バラとガーデニングショウ」に初出展しデモンストレーションを実施すると、造園や緑地管理などの業界関係者から多くの問い合わせを受けただけでなく、ガーデニングが趣味の個人の注目も多く集めた。「庭がかなり広くないとメリットがなく使いづらいので、個人ユーザーからはあまり反応がないかと思っていましたが、意外と関心が高い様子でした」と直井さんは振り返る。

 問い合わせしてきたところには最寄りのMiimo販売店を通じてデモを行うなど、実際の動作や使用感の確認・訴求を図ってから、今後の展開が練られていくという。また、日本の場合は芝だけでなく草刈りのニーズが高いとのことから、Miimoの技術を草刈りに生かすことも考えられる。Miimoは日本で、これまでに考えられなかった成長を遂げるかもしれない。

左から田淵陽之さん(本田技研工業)、羽深信之さん(本田技術研究所)、直井千昌さん(本田技研工業)

著者プロフィール:

大澤裕司(おおさわ・ゆうじ)

 フリーランスライター。1969年生まれ。月刊誌の編集などを経て、2005年に独立してフリーに。工場にまつわること全般、商品開発、技術開発、IT(主に基幹系システム、製造業向けITツール)、中小企業、などをテーマに、雑誌やWebサイトなどで執筆活動を行なっている。著書に『これがドクソー企業だ』(発明推進協会)のほか、ITmedia ビジネスオンラインの人気連載をまとめた『バカ売れ法則大全』(行列研究所/SBクリエイティブ)がある。


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