#SHIFT

就活生の理想の働き方は「私生活優先」が8割 「ブラック企業」報道の影響受け「結婚したくない」も約1割(1/2 ページ)

» 2018年05月30日 19時44分 公開
[今野大一ITmedia]

 理想の働き方は仕事よりも「私生活優先」――。就職情報大手ディスコが2019年春入社予定の学生に向けて実施した「就活生の職業観とライフスタイル調査」で、こんな職業観が明らかになった。「どんな働き方が理想?」との質問に「仕事よりも私生活優先」に「近い」「やや近い」と回答した割合が78%に上り、3年連続で上昇している。

phot 「仕事優先」と回答したのはわずか3.8%

 ディスコの武井房子上席研究員は「働き方に関する報道の影響もあり、業務内容と合わせてワークライフバランスをより重視する学生が増えた。『入ってみたらブラック企業だった』といった事態を防ぐために、OB訪問をするなどして生活の実態を見極めてから入社する企業を決める傾向が強い」と指摘する。

 就職後のイメージについて、「なりたい社会人像がない」に「近い」「やや近い」と回答したのは54.1%、「社会人生活に不安」に同様の回答をしたのは54.4%だった。また、「転勤はイヤ」と回答した割合は67.6%、「国内で働く」に回答した割合が71.1%に上り、転勤や海外勤務を嫌う傾向がみられる。「海外勤務を強く希望する学生と国内で働きたいという安定志向の学生の両方がおり、二極化している」(武井上席研究員)という。

phot 全国転勤や海外勤務には消極的だ

私生活優先の一方で、「結婚したくない」が1割

 私生活を優先したい一方で、結婚に対しては消極的な回答も少なくない。将来のライフプランについて「結婚したい」と答えた学生が78.2%に上る一方、「結婚したくない」という学生も1割程度存在した。「どちらとも言えない」という回答も合わせると21.8%に上る。また、現在「恋人なし」と回答した学生が60.6%と、恋人がいない学生の方が多数派だった。

phot 「結婚したくない」「あまり結婚したいと思わない」「どちらとも言えない」を合わせると21.8%、「子どもが欲しくない」は14.9%
phot 恋人がいない学生が多数を占める

 武井上席研究員によると「仲間と遊んだりコンパをしたりするよりも、平日の仕事終わりに映画を見に行く、ゲームをするなど、自分の趣味を楽しみたいと考える傾向がある。そのため残業が少ないことや土日休みを入社の条件にする学生も多いが、どちらかというと家庭よりも自分の趣味と仕事を両立させたいと考える人が多い」という。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.