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» 2018年06月05日 07時00分 公開

「働き方法案」が参院で審議入り:加藤厚労相を直撃 「高プロの要件を変更する考えはない」  (1/3)

「働き方改革関連法案」が参議院本会議で審議入りした。働き方改革の責を担う加藤勝信厚生労働相に「働き方改革」の望ましい在り方など、今後の方向性を聞いた。

[今野大一,ITmedia]

 政府が最重要法案と位置付ける「働き方改革関連法案」が6月4日に参議院本会議で審議入りした。「働き方改革」の責を担う加藤勝信厚生労働相は、ITmedia ビジネスオンラインの単独インタビューに応じ、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)について、「今後も年収要件の引き下げや対象業務の拡大をするつもりはない」との考えを明らかにした。

 高プロについては、国民から「長時間労働を助長し、過労死が増えるのでは」「対象業務の拡大や年収要件の引き下げが行われるのでは」との懸念が噴出している。

 政府は「高プロ」のほか、「残業時間の上限規制」「同一労働同一賃金」を働き方改革の3本の柱に位置付けている。加藤厚労相は、望ましい改革の在り方をどう考えているのか。今後の「働き方改革」の方向性を聞いた。

phot 「人口減少に立ち向かうには、生産性を上げていくしか道はない」と語る加藤厚労相(撮影:山本宏樹)

――日本が国を挙げて働き方改革に取り組まねばならない理由について、改めて加藤厚労相の考えをお聞きしたい。

加藤厚労相: わが国の構造的な課題である「少子高齢化」「人口減少」に立ち向かうには、働く人1人1人の生産性を上げていくしか道はないからだ。

 安倍晋三政権がスタートして6年目に入った。当初わが国はデフレ下にあり、経済も低迷していたものの、アベノミクス「3本の矢」によって経済の状況もかなり変わってきたと考えている。その中で、若い人たちが日本の将来に夢や希望、そしてある意味では「革新」を持っていろいろなことに挑戦してもらえる社会を作らねばならない。まさに誰もが活躍できる社会ということで「一億総活躍社会」を提示し、その最大のチャレンジとして「働き方改革実行計画」を作成した。

 人口が減少するということは、主な働き手である15〜64歳の「生産年齢人口」の減少も意味する。しかし、この5年間の状況をみると、生産年齢人口は減っているものの、シニアや女性の働き手の割合は増えてきている。

 ただ、シニアや女性の方々は、育児や介護、あるいは自分の体調などの制約条件を持ちながら働くことになる。それでも働きたいという希望が実現できる社会、まさにそれぞれの事情に応じて働き方を選択できる社会を作る必要があると考えている。

――具体的にはどのような課題に重点的に取り組んでいくのか。

加藤厚労相: まずは長時間労働を抑制していかなければならない。これには特に「2度と過労死を起こさせない」という思いで取り組んでいる。長時間労働の問題の根底には、「24時間働けますか」というかつてのコマーシャルではないが、長く働くことが良いことだという価値観や、それを前提とした企業文化やライフスタイルがある。それをどう乗り越えていくかは、大きな改革だ。

 もう1つは同一労働同一賃金であり、「非正規雇用」の問題だ。非正規で働く人の8割以上が、先述したようにさまざまな制約によって、不本意な働き方を強いられている。例えば、30代半ば以降の女性は、子育てや介護などとの両立を理由に、自ら非正規雇用を選択している方が多い。

 非正規で働く方の処遇を改善し、これからの時代に向けて多様で柔軟な働き方を選ぶことのできる「選択肢」を作っていかなければならない。もちろん、「自分ができる仕事がないからフルタイムで働けない」という人には、能力開発のための支援や雇用のチャンスも作っていきたいと考えている。

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