家で“つくりたてのビール”を飲みたい。ビール工場のようなところに住むことができたらなあ――。そんな夢のような生活を送ってみたいと考える愛好家もいるのでは。不可能ではない。
「そんなの無理でしょ。なにバカなこと言っているの?」と思われたかもしれないが、キリンビールが展開している「キリンホームタップ」をご存じだろうか。専用サイトで申し込むと、月額6900円(税別)で自宅用のビールサーバーを借りることができ、毎月サーバー向けの「一番搾りプレミアム」(1リットルペットボトル×4本)が工場から自宅に直送されるのだ。
2017年6月にこのサービスを始めたところ、すぐに申込者が殺到する。先着順ということもあって、我先に申し込む人がたくさんいて、専用サイトはつながりにくい状況に。申し込みができない状態が続き、不満の声がたくさん届いた。また当初の想定以上に注文する人が多かったので、製造が追い付かない事態に陥ったのだ。「告知をするとすぐに枠が埋まってしまう。このままでは大変なことになる」(担当者)ということで、17年10月を最後に受け付けを中止している。
現時点で、登録者は2000人ほど。販売再開のメドはたっていないので、この人たちだけ“つくりたてのビール”を楽しむことができるわけだが、ここで2つの疑問がある。「キリンビール」という日本を代表する大企業が、なぜ数千人ほどの申し込みがあったくらいで、受け付けをストップしたのか。また、なぜ販売再開のメドがたっていないのか。その謎を解くために、キリンホームタップを担当している落合直樹さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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