ボコボコに打たれても、斎藤佑樹の不思議なポジティブ思考赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2018年06月14日 12時10分 公開
[臼北信行ITmedia]

 毎度同じパターンの繰り返しだ。北海道日本ハムファイターズ、斎藤佑樹投手のことである。

 6月12日の阪神タイガース戦で今季2度目の先発マウンドに立ったものの、4回8安打5四死球7失点と大炎上。3イニングで先頭打者を四球で出塁させ、2本塁打を被弾するなど終始めちゃくちゃな内容で試合をぶち壊した。

 どうひいき目に見ても褒めるところがない。栗山英樹監督は二軍降格を言い渡したが、それでも「苦しめば苦しむほど生まれるものもある」などと、あえて突き放すようなことはせず逆にエールを送るかのような温かい言葉を口にした。

 6月6日に30歳を迎えた。今年で、もうプロ8年目だ。ルーキーイヤーに6勝を飾ったのが自己最多で以降、泣かず飛ばずの成績が続きここまで通算15勝止まり。今季は「ラストチャンス」と力強く言い切っているシーズンとはいえ、案の定結果は出ていない。

斎藤佑樹は6月6日に30歳を迎えた(出典:北海道日本ハムファイターズのFacebookページ)

 斎藤には大変申し訳ないが、これは誰もが予想できた流れだ。今後は打者をかわしながら“ごまかしの投球”が奇跡的にうまくハマれば、年間に1、2試合ぐらいなら勝ち星を拾えるかもしれない。しかし先発ローテーションを守り抜くことは、まずできないだろう。

 今の斎藤は下半身をうまく使えず、上体だけで投げている。いわゆる「手投げ」だ。2013年に右肩を壊してから、この弱々しい投球フォームが定番となってしまっている。棒球のような直球は球威がなく、変化球もキレがない。その上、制球力もないからカウントを悪くした末に置きにいった球をいとも簡単に痛打される。弱点が多くありすぎて対戦打者としてはオイシイ相手だろう。これでは勝てるわけがない。

 二軍では、そこそこ通用することはあっても一軍のマウンドとなれば同じようにはいかない。だからファームでそこそこの結果を残せても、いざ一軍に上げてみたら大炎上という毎度同じパターンの繰り返しとなってしまう。

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