神奈川県横浜市。桜の名所で有名な大岡川に面した日ノ出町、黄金町エリアに、ちょっとユニークな宿泊施設が誕生した。「タイニーハウスホステル」(4人まで泊まれる1棟貸切1万8000円〜、ドミトリー3600円〜〈いずれも税込〉)である。
「タイニーハウス? 聞いたことがないけれど、どこがユニークなの?」と思われたかもしれない。タイニーハウスとは、2008年のリーマンショックをきっかけに、米国で広まった小さな家のこと。その多くはクルマでけん引することができ、簡単に言えばトレーラータイプの住宅である。
株価が下がり、土地の価格が下がり、給与が下がり――。100年に1度と言われた経済危機に直面して、「できるだけモノは所有しない」「住まいもコンパクトに」といったライフスタイルが欧米を中心に広がった。移動しながら好きなところで暮らす人が増えているなかで、日本でもタイニーハウスで泊まれる施設が登場したのだ。
ユニークなのはそれだけではない。京急本線の高架下に建っているのだ。客室の広さは15平米ほど。部屋にはシャワー、トイレなど水回りが設置されていて、入口付近にはオープンスペースがある。ホステルは3棟あって、1棟に付きベッドは4つ。お世辞にも「広い」とは言えないが、「家族や外国人観光客の利用が多く、週末は人気が高い」(担当者)という。
このホステルをプロデュースしているのは、遊休地などを企画・開発しているYADOKARIと京浜急行電鉄。歓楽街としても有名なエリアに、なぜ小さな宿泊施設をオープンしたのか。高架下は列車が通るたびに大きな音がするので、宿泊者から「うるさくて寝ることができない」といった苦情はないのか。YADOKARIの相馬由季さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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