多くの人がお気付きだと思いますが、変化をつくることと、変化を呼び掛けることは違います。前述のように、決まったパターンから外れない「いつものセカイ」の中に自分が居続けながら、変化の重要性だけ呼び掛けても、実際に新しい行動や意識は生まれません。
変化をつくりたければ、いったん「セカイをとめる」ことが必要なのです。その組織に根付いたセカイ、あるいはマネジャー本人の中に根付いたセカイ。繰り返される思考、繰り返される行動パターン。これを一度とめることこそ、変化をつくるリーダーの最も重要な役目なのです。
周囲の人を思い浮かべながら、ちょっと考えてみてください。
社会が驚くような新しい商品や、新しい会社をつくった人が「イノベーター」として雑誌や記事でかっこよく取り上げられますよね。こうした人たちは、ひとたび雑誌に載れば、未来の社会を先読みして導いたヒーローとして、みんなの憧れの的になります。
でも、このように成果が社会から評価される前に、実際にこうしたイノベーターたちの周りにいた人たちは、彼らのことをどう思っていたでしょうか? 唐突に、これまでと違うことをやり出したり、議論の文脈と外れたことをいきなり言い出したりする変人、意識高いやつ?
周囲の人は、大混乱ですよね。彼らはヒーローでもなんでもなく、むしろ、ただのめんどくさいやつに思えます。なぜなら、これまでの思考の延長線上では彼らの行動が理解できず、そのたびにいちいち周囲の人たちにとって「セカイがとまる」からです。
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