コラム
» 2018年09月14日 07時35分 公開

猛暑の夏は終わるも:暮らしに新風! AIとビッグデータ分析を実装した今どきのエアコン事情 (1/3)

記録的な猛暑だった今夏はエアコンの販売に大きな弾みがつき、年間出荷台数は過去2番目の規模となる920万台が見込まれている。そうした中、来年を見据えて早くも各社がエアコンの新製品を相次いで発表している。その特徴とは……?

[大河原克行,ITmedia]
パナソニックが発売するルームエアコン「エオリア」の新モデル パナソニックが発売するルームエアコン「エオリア」の新モデル

 記録的な猛暑となった今年の日本の夏。エアコンの販売には大きな弾みがつき、年間出荷台数は、2013年度に続いて、過去2番目の規模となる920万台が見込まれている。

 過去最高となった13年度は、前半の猛暑の影響に加えて、後半はエコポイントの効果が重なり、942万台の出荷実績を記録。18年度は、それに近い台数が出荷されることになる。

 当然、19年度は、今年度の反動が見込まれるが、それでも、業界側の見通しは明るい。19年10月に予定されている消費増税前の駆け込み需要が見込まれているからだ。

国内のエアコン販売推移 国内のエアコン販売推移

 課題と言えば、こうした特需を支えるのが、普及価格帯の製品が中心になりがちなこと。これはエアコンに限らず、すべての製品に言えることで、結果として、台数は出るが、利益が確保しにくい状況から抜け出しにくい。それでも、設置工事などのサービス費用で粗利を稼げるエアコンは、販売店にとって利益確保につなげやすい商材に位置付けられている。

AI活用のエアコンがトレンド

 猛暑による需要が終了したこの秋口に、各社からエアコン新製品が相次いで発表されている。人工知能(AI)の活用がひとつのトレンドで、カメラやセンサーから取得したデータをもとに、AIによって状況を分析。それによって最適な温度や湿度を実現できる機能の搭載が目立つ。

 三菱電機のルームエアコン「霧ヶ峰」の新製品では、18年間に渡って進化させてきた赤外線センサーにAI技術を組み合わせた「ムーブアイmirA.I.」を搭載。部屋の中を360度センシングし、床や壁からの輻射熱や、窓からの日射熱などを検知して分析。外気温の変化などにより、部屋にいる一人一人に起こる少し先の体感温度を予測する。

三菱電機の「霧ヶ峰」 三菱電機の「霧ヶ峰」

この機能を利用した「A.I.自動」に運転モードを設定すると、温度や湿度を常に最適な環境にする自動運転に切り替えてくれる。冷房や暖房といったリモコンのボタンが不要になるような新たなモードを搭載したとも言える。

 日立ジョンソンコントロールズ空調のルームエアコン「白くまくん」では、新製品にファンの自動清掃機能を新たに追加するなど、「クリーン」の追求を徹底する。加えて、画像カメラや温度カメラ、近赤外線LED技術を組み合わせた「くらしカメラ AI」により、在室している人の数や位置などを認識するとともに、部屋の温度分布を把握。さらに、室内にいる一人一人を識別して、在室時間をもとに、その体感温度に合わせた気流を送り出せるようにした。

日立の「白くまくん」 日立の「白くまくん」

 パナソニックのルームエアコン「エオリア」の新製品では、国内最大の民間気象会社であるウェザーニューズと提携。同社が提供する花粉やPM2.5の飛散予報をもとに、部屋の空気の汚れを先読みし、自動で空気清浄運転を行う「AI先読み空気清浄」を搭載したのが特徴だ。

 冷房や暖房といった基本性能だけでなく、部屋の空気そのものをきれいにすることにこだわった製品になる。

 「従来は、部屋の空気が汚れてから空気清浄機能を稼働させていたが、新製品では、部屋の空気が汚れる前に、それを検知して、空気を清浄することができるのが特徴」(パナソニック アプライアンス社エアコンカンパニーエアコン事業部・白土清事業部長)とする。ここでもAIが活躍する。

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