実際、16歳少女もそうだった。母の陳述書によれば、昨年9月に、少女はメンバーらとともに事務所と面談をして、イメージカラーの変更を申し出たところ、「CMに出ているからそんな簡単ではないし、下手したら契約違反になる可能性もある」と釘を刺され、女優の武井咲さんが結婚・妊娠によって一部CMで違約金がでたという報道を引き合いに出して、「賠償金を払わないかんなったら(中略)武井咲のように払うことになる」と脅しとも取れる言い方で、説き伏せたというのだ。
なんてことを言うと、事務所だって慈善事業でやっているわけじゃないんだから、ある程度カネ、カネ言うのは当然だ、アイドルだってサポートをしてもらっている立場なんだから生意気なこと言わず素直に従ってればいいんだ、と思う方も多いかもしれないが、そのような考え方が「常識」となっていること自体が、日本のショービジネスの異常性を如実に示している。
米国など海外では基本的に、歌手でも俳優でもショービジネスにおいて夢を目指す若者は、自己責任のもと、自分の経済的負担で歌やダンスのレッスンを受ける。レディー・ガガでもハリウッド女優でも、みな無名時代はウェイトレスや皿洗いのバイトをしながら、自費でレッスンを受けて、レコード会社や映画会社のオーディションを受けまくる。その中で、運と実力のある人がスターになる実力社会なのだ。
つまり、歌手あろうが女優だろうが、誰かに大きな負い目を感じることもないし、貸付の返済を気にしながら夢を追いかけなくていいのだ。
そういう自由さがあるので、自分には才能がないと判断した時点で、スパッと誰にも迷惑をかけることなくあきらめることができるのだ。
こういうスタイルが、世界的には一般的な「夢を追う」ことなのだが、日本の芸能ビジネス、特にアイドルの場合はそこにさまざまな第三者の生活がかかってくるので、事情がかなり複雑になってくる。
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