テクノロジーを使って金融を変革するフィンテック。2018年は、フィンテックベンチャーだけでなく大手企業の参入が相次ぎ、一気に表舞台に躍り出た。12月から始まったQRコード決済「PayPay」の100億円還元キャンペーンも、ソフトバンクという大手企業が本気を出してきたという点で大きなインパクトがあった。
そして2019年は競争が激化する可能性がある。「お金のデザイン」が開催した「Fintech Meetup 2019」で12月11日、フィンテックのプレイヤーが見通しを話した。
「バチバチですね。フィンテック競争3.0。非金融業界のプレイヤーが参入してきた。彼らにはあり得ないくらいユーザーがいる。徹底的にフィンテックビジネスをやると宣言されると、フィンテックベンチャーとしては戦い方を考えなくてはいけない。M&A、ギブアップ、連携、戦い方など、今後出てくるニュースは2018年とは違った次元になるだろう」(お金のデザインの中村仁社長)
既存の金融機関にとっても、非金融業界のプレイヤーの参入は衝撃だ。福岡銀行系列のフィンテックベンチャー「iBankマーケティング」(福岡市)の永吉健一社長は、「スタートアップと超巨大企業がぶつかる年になる」と話す。
盛り上がりが著しいのがキャッシュレス決済関係の市場だ。QRコード決済に2015年から取り組んでいる「Origami」(東京都港区)の伏見慎剛氏は、「PayPayはすごい。一方で市場の拡大につながる点は歓迎」だと話す。また、経済産業省が音頭を取って進めているQRコードの規格統一について、Origamiは肯定的。ただし初期から加盟店開拓を進めてきた事業者にとっては、加盟店資産にタダ乗りされることから難航しそうだ。まとまるかは厳しいが、経産省も本気で取り組んでいるという。
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