カレーグランプリという名前を冠しているため、注目されがちなのはその年にNo.1となった店だが、中俣氏が重視しているのはスタンプラリーだという。なぜなのだろうか。
2017年に開催されたスタンプラリーでは、22店以上を訪問した446人に対し、神田カレーマイスターの認定証が贈呈された。認定証をもらった参加者は累計で989人にも及ぶ。
参加者はマイスターの称号ほしさに、100日間、神田の街を練り歩く。中俣氏によると、グランプリをきっかけにカレー好きのコミュニティーがいくつも生まれ、カレーをつまみに飲み会を神田で開催するケースが増えているという。もともと、多くの人に夜や休日の時間を神田で過ごしてもらうことがイベントの目的なので、実行委員は手応えを感じている。
「一般的なスタンプラリーは『一度やったらそれでおしまい』というところもあります。ですが、スタンプラリーをきっかけに、日常の利害関係を超えたつながりが生まれ、多くの人が何度も神田に足を運んでくれています。こういったコミュニティーの存在は珍しいのではないでしょうか」
確かに、ネットを通じた趣味のオフ会は頻繁に開催されるようになっているが、カレーという共通の趣味を持ち、なおかつ神田という特定の場所に愛着を持つようなコミュニティーというのはそう多くはなさそうだ。
イベントの“素人集団”が企画した神田カレーグランプリは、実行委員の情熱によってここまで大きく、そして独特な成長を遂げたのである。
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