さて、先の「小学生で習う漢字」を見ると、概ね1000字です。小学4年生までに限れば630字程度です。その中で元号に用いられそうな漢字は、ざっと見たところ概ね100個ほどでしょうか。その2文字の組み合わせはおよそ1万通り(順序が逆も含む)になりますので、残念ながらすべての候補をここで精査することはできません。そこで、以降は現時点で識者の意見やアンケートなどで有力候補として挙がっているもの10個について、これまでの議論を踏まえ評価してみたいと思います。
候補
安久(あんきゅう)
安化(あんか)
和平(わへい)
文承(ぶんしょう)
建和(けんわ)
玉英(ぎょくえい)
永光(えいこう)
永明(えいめい)
光元(こうげん)
弘栄(こうえい)
こうしてみると、1-a、2-a、2-b、3-a、4-aは候補を選ぶ過程ですでにノックアウトファクターとして機能しており、それを度外視した候補はありません。1-cは、過去を遡れば多少こじつけ的なものもあり、その気になればどこかから見つけられそうですからこれも捨象して考えます。そこで残りの5つの項目、すなわち
1-b)音としても不吉さがなく、語感がいい
3-b)一般用語や、固有名詞とかぶらない
3-c)漢字や音が他の言葉と紛らわしくない
4-b)過去の元号と紛らわしくない、あるいは最近元号に使われた文字がない
4-c)政治との距離感がある
について、各候補を評価したのが次の表です。評価や重みづけはあくまで私見であることをお断りしておきます。
最も重みづけが大きく、鍵となったのは「3-b)一般用語や、固有名詞とかぶらない」です。一般用語でもある和平もさることながら、特に固有名詞とかぶるものが少なくありませんでした。中国の過去の元号(建和、永光)、ウメの品種(玉英)、パンダの名前(永明)、多くの会社の名前(光元)などです。これらは、この項目については高い評価にはしませんでした。
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