世の中の役に立つ。この思いはもちろん事業が変わった今も変わらない。商品在庫の問題は日本中の多くの企業が昔から頭を悩ませている。それに対して根本的な原因を究明し、理屈で解決しようとするシステムを開発した。これを広めていくことに瀬川さんは使命感を持っている。
では、在庫問題の解決は消費者にとってどのようなメリットがあるのか。瀬川さんは「不要なものを作らなくていい社会になるでしょう。それが廃棄問題の解消だったり、森林保全につながったりします。結果、子どもたちや孫たちの時代に、より良い地球を残せるはずです。リスクを負って起業し、毎日大変な思いで働いているので、目先のビジネスがうまくいった、いかなかったというような小さな話にはしたくありません。地球の将来に何か貢献できることを信じて活動しています」と意気込む。
インタビューの最後、瀬川さんはふと「本当に人生は不思議なものですね」とつぶやいた。
「大学時代の研究室で、ある日教授に呼ばれて『明日から天然ガスの分析・予測をコンピュータでやれ』と言われたんです。授業でC言語を少しかじった程度で、本格的にプログラミングをしたことがなかったので『マジかよ……』と思いました。けれども、そのときに勉強していなかったらFULL KAITENは生まれてなかった。あのとき、何の役に立つんだろうと思っていた天然ガスの研究が、世の中のためになったわけです」
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