「黒タピオカドリンク」が20年を経て、再ブームになっている背景スピン経済の歩き方(3/6 ページ)

» 2019年05月14日 08時13分 公開
[窪田順生ITmedia]

大きなポイントが2つ

 どれもみな大いに納得できるが、個人的にはあと2つ大きなポイントがあると思っている。それは「台湾人気」と「参入障壁の低さ」だ。

 ご存じの方も多いかもしれないが、黒タピオカドリンク発祥の地である台湾は近年、日本人の海外旅行先として不動の人気を誇っている。

 一般社団法人日本旅行業協会が、旅行会社を対象に調査をした「人気旅行先ランキング」では、台湾は年末年始の旅行先で4年連続1位、GWの旅行先では5年連続で1位に輝いている。夏休みの旅行先でも、ハワイとトップを争うのが近年の傾向となっている。

GW人気旅行先ランキング(海外、出典:日本旅行業協会)

 この「台湾人気」はデータも裏付けている。台湾観光協会によると、2018年(1〜12月)に日本から台湾を訪れた訪台日本人旅行者数は前年比3.7%増の196万9151人と、過去最多に達したというのだ。

 これはつまり、台湾で本場の黒タピオカドリンクを楽しんだ日本人も過去最多になったということだ。現地に行った方は分かると思うが、台湾では有名店に限らず、街のいたるところで黒タピオカドリンクが売られており、日本人観光客も滞在中に必ず飲む「ド定番グルメ」だからだ。

 という話をすると、「確かに、日本人観光客が黒タピオカドリンクをたくさん飲んだかもしれないが、それが日本国内のブームをつくったというのは強引だ」という意見があるかもしれないが、両者に密接な因果関係があることは、台湾と並ぶ日本人大好き観光地の「ド定番グルメ」が証明している。

 お分かりだろう、「パンケーキ」だ。

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