定食チェーン「やよい軒」が、「ちょい飲み」需要の取り込みをじわじわと進めている。公式Webサイト上のアルコールメニューは「生ビール(小ジョッキ)」(290円、税込、以下同)しかないが、一部店舗で“裏メニュー”の実証実験を行っているのだ。
その名も「やよい呑み」。8月から東京都内の一部店舗で実施していた。12月からは実施店舗を広げ、20店舗で展開しているという。対象店舗では生ビール(小ジョッキ)だけでなく中ジョッキ(390円)、ハイボールの中ジョッキ(260円)、レモンサワーの中ジョッキ(260円)を取りそろえる。それだけでなく、おつまみとして「焼き餃子」(290円)や「豚肉となすの味噌炒め」(490円)なども提供している。
広報担当者によると、これまでもサイドメニューとビールでちょい飲みする需要はあったという。そこで、新たな利用シーンとして拡大するために今回の施策を企画した。
ちなみに、ちょい飲み用の単品メニューだけでなく、全ての定食メニューで追加料金を支払うと、みそ汁をアルコールに変更できるオプションも用意している。それにしてもなぜ、このような斬新なオプションにしたのか。みそ汁との交換ではなく、定食とのセットという選択肢もあり得たはずだ。
担当者に取材したところ、「同じ水物なので、定食でもお酒を楽しみたいお客さま向けに新たな提案を試みた」との回答を得た。導入以降、アルコール注文のうち2割がみそ汁からの変更だという。担当者は「思わぬ反響に驚いている。対象店舗の拡大も検討したい」とコメントしている。
やよい軒は、5月に代名詞といえる「ご飯のおかわり無料」を撤廃し、一部から批判を受けた。それもあってか5月末には再びおかわり無料にかじを切っている。ただ、「おかわり有料化」のインパクトが大きかったのか、既存店売り上げの前年同月比は5月以降一貫して100%を下回っている。
おかわり無料であれば、その分お客の滞在時間は長くなるはず。どうしても無料には踏み切れないので、その滞在時間でいかに利益を上げるか、といった狙いも裏にはありそうだ。
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