人気ステーキチェーンを超えた!? ハンバーグ専門店の「挽肉と米」と「極味や」に行列ができるワケ長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)

» 2020年11月30日 10時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

源流は焼き肉店のまかない

 一方の極味やは、19年11月、渋谷パルコのリニューアル・オープン時に入居した。

 極味やは、10年に福岡パルコに出店して以来、長蛇の列をつくっていた店であり、前評判は高かった。オープンと共に福岡で体験した人が押し寄せたのもヒットの要因だ。

極味やの前にできた行列

 店内は2連のコの字型カウンターになっており、カウンターの前には鉄板が広がる。店員が挽肉からハンバーグにこねて焼く過程を間近に観察できる臨場感がある。席数は24席。

 極味やのハンバーグは、焼き肉店(01年に福岡市内にオープン)のまかないに源流がある。その焼き肉店は、極味やを運営する「わっはっは」という会社の社長である松尾和幸氏が創業した。

 極味やでは、店員がさっと鉄板でハンバーグの表面を焦がして提供する。顧客は一口サイズに肉を崩しながら、セルフで赤い色が無くなるまで十分に焼いて食べる。この独自のスタイルは、ハンバーグ専門店を出店するにあたって研究した末に生み出された。

極味やのハンバーグ

 ハンバーグを半調理で提供し、顧客が自分で好みの焼き加減に仕上げて食べるというユニークなスタイルは、焼き肉にも似ている。箸も焼き肉店と同様に2種類ある。ハンバーグを焼く時は金属の箸を、焼き上がって食べる時は割箸をというように使い分ける。

 福岡パルコに出店したきっかけは、わっはっはの運営する焼き肉店に、常連客が注文する裏メニューのハンバーグがあることを、パルコのリーシング担当者が聞きつけたことだ。その担当者が、いっそのこと、ハンバーグの専門店を出さないかとオファーした。そこから両社が共同で業態開発を始めたという。

極味やのハンバーグ

 同社系列の焼き肉店は、佐賀県の黒毛和牛・伊万里牛を創業期から毎週直接買い付け、お手頃な価格で提供して人気が高かった。高品質のハンバーグを焼き肉のように食べる発想は、このような背景で生まれたのだ。

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