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日本ヒューレット・パッカード:統合を越えて攻めに転じる日本HP (2/2)

ZDNet 2003年の戦略は?

樋口 合併により、HPはIBMに対抗できるIT企業になりました。「21世紀のテクノロジーリーダー」を目指しています。日本法人は、合併により、世界の4つのリージョンの1つとして格上げされました。2002年は、合併による体制の立て直しをしなくてはいけないという意味で、「土俵際で踏ん張る」ような年でしたが、2003年は新生HPとして市場でガップリと相撲を取るような、勢いをつけていくフェーズにしようと考えています。

ZDNet HPは、IBMのe-ビジネスオンデマンドと同じような、ユーティリティコンピューティングのコンセプトとして「Utility Data Center」(UDC)を発表しました。

「今では旧HPと旧コンパックの社員が融合している」と話す樋口氏

樋口 UDCでは、コストプレッシャーを受け、柔軟なダウンサイジングを実行してきた米国を手本として、日本としては勉強する必要があります。UDCを展開するに当たっては、導入する企業の情報システム室がカギになり、逆に言えばネックになる可能性もあります。システムをいかに柔軟に拡張するかという点が重要であり、それを実現するために、サーバの自動管理などを行うコンセプト「Adaptive Infrastructure」も打ち出しています。

ZDNet 特に注力する製品はありますか?

樋口 HPが絶対的に自信を持っているブレードサーバです。1、2ウェイ、また2003年は4ウェイという製品を投入して、エントリーからバックエンドまで、どの階層のシステムもブレードサーバで構築するシステムを提供していきます。HPは今後ハイエンドシステムで、インテルのプロセッサ、MIPS、PA-RISC、Alphaという4種類を、Itanium Processor Familyに集約するワンサーバプラットフォームにより、一層のスケールメリットを追求し、顧客の投資を効率化していきます。

ZDNet 景気が低迷していますが、脱却するにはどうしたらいいでしょう。

樋口 日本企業は競争力をつけるために、経営の効率化を行わなくてはなりません。ITによるビジネスプロセスの構築は重要です。経営の効率化のために、もっと情報化投資を行う必要があります。

2003年、今年のお正月は?
年末から正月にかけては、品川や天王洲の飲み屋に繰り出すこともしばしば。次の日に残らない焼酎も飲むが、「一番好きなのは日本酒」と笑う樋口氏。正月は、5年後の自分のイメージなど普段はあまり考えないことを考えたいという。「仕事と関連しない本を読むのは時間の無駄」と話す同氏は、初詣の祈願は? の問いにも「ビジネス拡大です」と言い切る。終わりの見えない不況の中では、ビジネスを成功させるという難題は最高の「遊び」になるのかもしれない。

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]


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