ワークスAPが中国進出を本格化

ワークスアプリケーションズが中国市場への進出のため同国企業へのアプローチに強みを持つインフォデリバと提携し、同社と3社の合弁企業を設立すると発表した。

» 2004年07月20日 18時24分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 人事アプリケーションを提供するワークスアプリケーションズ(ワークスAP)は7月20日、都内で記者発表会を行い、中国市場への進出のため同国企業へのアプローチに強みを持つインフォデリバと提携し、同社と3社の合弁企業を設立すると発表した。提携内容にはワークスAPによるインフォデリバへの資本参画が含まれ、同社のパッケージ「COMPANY」を中国市場で浸透させるために、初期投資の低いASPによる提供形態が採用されている。また、パッケージベンダーとして自らBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を展開する戦略も含まれている。

中国でナンバーワンを目指すと話す牧野氏。「中国の人件費はまだ低く、将来を考えるとライセンス形態の方が有効。初期投資の低いASPも中国市場に合っている」としている。

 インフォデリバは、本社は東京だが従業員の90%が中国人。日本への留学生だった尚捷(ショウ・カツ)氏ら2人の中国人が日本で設立。中国へのネットワークを利用したシステム開発とBPOサービスという2つの領域に注力する。いわゆるオフショア開発を手がけるベンダーだ。中国では、北京、大連、上海、無錫、珠海の沿岸部の主要都市に拠点を持つ。

 ワークスAPの牧野正幸CEOは、中国のERP市場について、「製造業が多いため従業員の多い企業が多い。東北地方だけでも20万人以上を抱える企業が数十社。COMPANYの潜在ユーザーの宝庫」と話す。また、COMPANY導入における特徴の1つであるノーカスタマイズへの抵抗感が低いことも、同社にとってのメリットして挙げている。レガシーシステムが少ない中国企業では、ERPや業務アプリケーションを導入しやすい傾向があることは一般的にも指摘されている。

3社の合弁会社

 合弁企業設立の主な目的は、中国版の「COMPANY」の開発および販売と、日本企業からの人事、給与、総務、経理業務などバックオフィス業務のアウトソーシングの受託の2つ。

 前者の中国企業へのCOMPANY導入を見据えて8月中旬に設立されるのが「ワークスインフォ・アプリケーションサービス有限公司」(中国無錫市)。中国版のCOMPANYを開発し、2005年1月には5つの拠点で販売を開始する。初年度は3億円の売り上げ、5年以内に100億円規模に拡大したいという。

 一方、日本企業への中国進出をサポートするために設立されるのが、7月20日付けで設立される「ワークスグローバルサービス」。9月中旬には、ワークスグローバルサービスの100%子会社として、「ワークスインフォ・アウトソーシング有限公司」が設立される。初年度は数社からの受託で数億円、2007年までに、初年度の10倍以上の売り上げを目指す。

 なお、ワークスAPは、8月中旬に、インフォデリバ株式を取得する予定としている。同社は、中国以外の海外市場への進出も視野に入れている。2005年7月以降に会計パッケージの導入も予定。今回の中国進出を世界展開の第一歩と位置づけている。

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