新日鉄ソリューションズと日本IBM、製鉄所の生産工程にグリッド技術を適用

新日鉄ソリューションズと日本IBMは、新日本製鉄の生産管理システムにグリッドコンピューティング技術を適用する実証実験を開始したと発表した。

» 2004年08月10日 19時11分 公開
[ITmedia]

 新日鉄ソリューションズと日本アイ・ビー・エム(日本IBM)は8月10日、グリッドコンピューティングシステムの構築に関する協業体制を強化。同時に、新日本製鉄の生産管理システムにグリッドコンピューティング技術を適用する実証実験を開始したと発表した。

 生産管理システムの要となるスラブ設計システムにグリッド技術を適用する。鉄鉱石などの原料から鋼板や厚板の最終製品になるまでの中間製品スラブを、注文情報に基づいて大きさや量を設計するシステムで、スラブと最終注文の双方を最適に紐付けするだけでなく、製鉄所の生産能力やコストを視野に入れた高度な処理が必要になる。

 現在はUNIXサーバによるバッチ処理が行われているが、これにグリッド技術を適用することで、リアルタイムに計算結果を出せるようにする。この実証実験では、Red Hat Liunxを搭載したPCサーバを接続して、分散したコンピューティング資源を単一の仮想システムとして動作させる。グリッドを管理するミドルウェアには「GlobusToolkit」を利用する。

 また、新日鉄ソリューションズのシステム研究開発センターにある異機種混合のサーバ群とも接続して、組織を越えた大規模システム環境での検証も行う予定もある。

 実証実験における処理速度やコストパフォーマンスの検証を9月まで行い、その後、本格的な適用を検討する計画だ。

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