特集
2004/08/25 15:10 更新

dev .NET
特集:前編 Visual Studio 2005日本語版ベータ早期レビュー (1/6)

Visual Studio 2005の日本語版ベータが、マイクロソフトからMSDN向けに提供開始された。次期Longhornを担う.NET Framework 2.0環境アプリケーションの統合開発、そして新たな構造の採用や効率化を高めた新版として注目される。早期レビューをお送りしよう。

 この特集の主題は、Visual Studio 2005が従来のVisual Studio.NET 2003と比べどのような変化があるかの解説だ。VS2005の開発言語は「VB.NET」「C#」「J#」「C++」の4種類がサポートされているが、本特集では、現在主要だと思われるVB.NETとC#に焦点を絞る。また、この特集による目的は、既存のVisual Studioユーザーが新バージョンでの変更点を知ること、そして新たに.NETアプリケーション開発に取り組みたいユーザーが、現在最新の環境がどのようになっているかを理解することにある。

 なお、この記事は早期のVisual Studio 2005日本語版ベータを基としているため、製品版リリースでは一部異なる可能性がある。また、記事内で特に日本語版ベータ上を示す際には「VS2005日本語版ベータ」と表記し、英語版、日本語版を問わずVisual Studio 2005全般を示す場合には「VS2005」と明記していく。

見 出 し 一 覧
1. 日本語版ベータはイベントや雑誌付録でも一部配布される
2. 新たなサブセット製品Express Editionの位置づけ
3. 使いやすくなったデザイナ
4. スマートタグの採用が容易さを高めている
5. 自動生成されるファイルは目的の別ファイルに分かれる
6. コーディング支援機能も充実−クラスの設計をサポートするダイアグラム
7. 定型句記入をサポートするコードスニペット
8. ビルドエラー時の修正候補提示が洗練された
9. 使いやすくなったデバッグ機能−コードを編集してそのまま実行できるエディットコンティニュ
10. 例外ヘルパによるヒントの表示
11. メンバを展開して変数の中身を参照できる
12. 簡単なテストに便利なオブジェクトテストベンチ機能
13. 新しい機能と対応するコントロールを増加
14. データベース機能の強化

 まず最初に、VS2005日本語版ベータの概要と入手方法について、簡単に説明しておこう。

日本語版ベータはイベントや雑誌付録でも一部配布される

 VS2005日本語版ベータは、現在、MSDNサブスクリプション(ユニバーサル、エンタープライズ、プロフェッショナル)やMCSD(Microsoft Certified Solution Developer)の会員向けに提供されている。さらに広く配布されるイベントとしては、2004年9月7日〜10日までパシフィコ横浜で開催の「Tech Ed 2004 Yokohama」が挙げられる。

 また、月刊誌の付録収録にも予定されており、9月18日発売の「C Magazine」10月号(ソフトバンクパブリッシング)には、Visual C# 2005 Express、Visual Web Developer 2005 Expressが収録される。

新たなサブセット製品Express Editionの位置づけ

 一方で、ホビイスト/学生向けの「Express Edition」は、ユーザー登録すれば、誰でもダウンロード可能な製品だ


正式版が提供されるときに、Express Editionのライセンス体系がどうなるのか、価格形態についても未定だ。ただし、SQL Server 2005 Expressに限っては、現在のMSDEの後継版という扱いであり、正式版が提供される際には無料で利用したり、再配布可能になる予定だ。

 Express Editionは、VS2005のサブセットに位置づけられ、開発対象によって次の6製品に分かれている(表1)。

表1■Express Editionの構成
製 品 名
主 な 開 発 目 的
Visual Basic 2005 Express VB.NETでWindowsアプリケーション、コンソールアプリケーションを開発するための開発ツール
Visual C# 2005 Express C#でWindowsアプリケーション、コンソールアプリケーションを開発するための開発ツール
Visual C++ 2005 Express C++でWindowsアプリケーション、コンソールアプリケーションを開発するための開発ツール。ただし、MFCとATLは含まれない
Visual J# 2005 Express J#でWindowsアプリケーション、コンソールアプリケーションを開発するための開発ツール
Visual Web Developer 2005 Express Webアプリケーションを開発するための開発ツール。言語は、VB.NET、C#、J#のいずれかを選択できる
SQL Server 2005 Express データベース製品であるSQL Server 2005のサブセット。現在のMSDE(MicroSoft Database Engine)の後継バージョンに相当する

 サブセットであるため、VS2005には搭載されている幾つかの機能は実装されない。しかし、プログラミング学習や、小規模なアプリケーション開発には十分な機能を備えている。また、Express Editionで作成したプロジェクトはVisual Studio 2005でも読み込めるため、機能不足を感じたならば、後から開発環境のアップグレードを考えればよいだろう。

 Express Editionで注意したいのは、Windowsアプリケーション、もしくはWebアプリケーションを作成するかで利用製品が異なる点だ。Webアプリケーションを作る場合には、開発言語に関わらず「Visual Web Developer 2005 Express」を選択することになる。

 現在、マイクロソフトから提供されている無料で使えるWebアプリケーション開発環境としては、「ASP.NET WebMatrix」があるが、Visual Web Developer 2005 Expressは、ASP.NET WebMatrixの後継版でなく、あくまでもVisual Studio 2005のサブセットとして位置づけられている。今後は、現行の.NET Framework 1.1であればWeb Matrixでよいが、.NET Framework 2.0を見据えるならばVisual Web Developerという選択肢に移行していく。Visual Web Developer 2005 Expressでは、インテリセンス機能がサポートされたり、Webフォームとなるファイル(.aspx)とソースコード(.vbや.cs)は分離されたコードビハインドモデルとなっている。より拡張性を考慮したWebアプリケーション構築に対応することが可能だ。

 なお、本稿では、Express Editionではなく、Visual Studio 2005日本語版ベータを基に説明していく。そのため、本稿で説明する幾つかの機能は、Express Editionでは提供されていないものも含まれている。その違いについては、「Visual Studio 2005 製品ラインの概要」を参考にしてほしい。

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[大澤文孝,ITmedia]

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