VS2005では、コードエディタも強化され、さまざまなコーディング支援機能が搭載された。
VS2005の大きな特徴は、クラスをUMLモデリング図で設計できるダイアグラムがサポートされた点だろう。ダイアグラムを使うことにより、クラス継承や実装するインタフェース、そしてクラス自身のメンバ、プロパティ、メソッド、イベントを視覚的に表示できるようになった(画面3)。
ダイアグラムはコードと連動しており、ダイアグラム上で編集すれば、コードも自動変更される。たとえばプロパティを実装する時には、ダイアグラム上でプロパティを追加するだけでよい。
またダイアグラム画面では、クラスを分割するなどして再設計するためのリファクタリングも可能だ。ただしVS2005日本語版ベータの段階では、リファクタリングに対応するのはC#とJ#のみであり、VB.NETでは対応していない。
コードエディタには、定型的なコードを選択して挿入できる「コードスニペット」と呼ばれる機能が実装された。コードエディタ上で、右クリックし、VB.NETの場合には[スニペットの挿入]を、C#の場合には[IntelliSense]から挿入したいコードを選択する(画面4)。
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コードスニペットでハイライト表示されている部分は、自分のコードに合わせて編集しなければならない部分だ。コードスニペットは、単なるコードのコピーとは違い、ハイライト表示された部分を1個所直せば、それに関連する部分は自動的に変更される。なお、コードスニペットには、開発者がコードを登録することも可能だ。
コーディング後にビルドすると、ビルドエラーが発生するというのは、よくある話だ。ビルドエラーは文法上の問題が多く、ケアレスミスであることが多い。
そこでVS2005では、ビルドエラーが発生した際、どのように修正すればビルドエラーが問題なく通るかを修正候補として表示してくれるようになった(画面5)。ただし、この機能は、VS2005日本語版ベータではVB.NETのみに実装されており、C#やJ#には実装されていない。
開発者は、画面5の状態で修正候補をクリックすると、同じようにコードが訂正される。そのため、修正候補を見ながらキーボードを打って修正する手間がない。
もちろんすべてのビルドエラーに対して修正候補が表示されるわけではなく、表示される修正候補が常に意図したものとは限らない。しかし、比較的.NET Frameworkに慣れていない開発者にとっては役立つ機能なはずだ。
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