RFID推進に向けて動き始めたSun、IBM、HP(1/2 ページ)

大手ITベンダー3社が、RFID技術にフォーカスし、製品展開を進める計画を一斉に発表した。EPCglobalのRFID標準に関するカンファレンスで、Sun、IBM、HPの3社が新しい構想を発表した。

» 2004年09月28日 18時57分 公開
[IDG Japan]
IDG

 大手ITベンダー3社が9月27日、RFID(無線ICタグ)技術にフォーカスし、製品展開を進める計画を一斉に発表した。

 今週メリーランド州ボルティモアで開催されたEPCglobal主催のRFID標準に関するカンファレンスにおいて、Sun Microsystems、IBM、Hewlett-Packard(HP)の3社はそれぞれ新しいRFID構想を発表した。

 RFID関連で2つの提携を発表したHPは、向こう5年間でRFIDプロジェクトに1億5000万ドルの資金を投じる計画だという。HPの広報担当者、デイナ・フリード氏によると、同社では28カ所の工場に自社のRFID製品を既に配備しているほか、他社に先駆けてRFID技術を採用しているWal-Mart StoresにもRFID技術を提供しているという。「多くの顧客に会って話を聞いたところ、彼らはRFID技術のパートナーや、RFIDの配備を支援してくれる企業を探していることが分かった」とフリード氏は話す。

 RFIDは、紙またはプラスチックのラベルに埋め込まれた小さなICチップとアンテナを使用する。これらのチップは電子スキャナで読み取ることができる。また、バーコードとは異なり、RFIDチップはゴミや擦り傷に影響されることがなく、25フィート(762cm)以上の距離から読み取ることが可能。

 HPが発表したBearingPointとの提携拡大では、小売業界における在庫コストの削減と顧客管理の改善につながるRFID製品の開発で両社が協力する。HPは「ProLiant」サーバ、「Unix HP Superdome」サーバ、「HP StorageWorks」技術などのインフラ技術を提供し、BearingPointは評価やコンサルティング、システム連携などの面でのサポートのほか、ビジネスプロセス/変更管理サービス、小売業界に関する専門知識などを提供する。

 HPは、RFIDソフトウェアベンダーのOATSystemsとの提携も発表した。両社は「RFID/IS(Industrial Strength)」プラットフォームを共同開発する。同プラットフォームはRFIDデータを取り込み、広範なサプライチェーンを通じて商品の動きを追跡するとともに、RFIDネットワークの一元管理を可能にするという。自動車、消費者向けパッケージ製品、医薬品、家電製品、小売り、ハイテクなどの業界の企業をターゲットとする。

 IBMも9月27日、RFID製品で一般に使用されるセンサーやアクチュエータ製品を開発すべく、向こう5年間で2億5000万ドルの資金を投入すると発表。IBMのセンサー/アクチュエータソリューション部門のRFIDアーキテクト、レイナー・カース氏によると、RFID技術に加え、産業自動化技術の開発にも今回の投資の一部が割り当てられるという。

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