RFID推進に向けて動き始めたSun、IBM、HP(2/2 ページ)

» 2004年09月28日 18時57分 公開
[IDG Japan]
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 さらにIBMは、WebSphereをベースとした新しいRFID製品を今年10〜12月期に提供すると発表した。このミドルウェアは、企業の配送センターや店舗内でRFIDタグとリーダーから取り込んだデータの収集、統合、管理を可能にする。

 カース氏によると、RFIDへの関心の高まりの背景には、Wal-Martなどの企業や米国防総省などの組織がRFIDの採用に積極的な姿勢を示していることがあるという。Wal-Martでは、RFIDの導入を段階的に進める計画であり、テキサス州北部地域の同社店舗に納入している主要サプライヤーは2005年1月までにパレットおよびケースにRFIDチップを使用するよう求められている。国防総省では、2005年初頭までにサプライヤーにRFIDタグの使用を義務付ける方針だ。

 「RFIDはソフトウェアとサービスの分野で大きな市場機会をもたらすと考えている」とカース氏は話す。

 Sun Microsystemsも9月27日、「Sun RFID Offering for iForce Partners」と「Sun RFID Retail Compliance Program」のほか、Sun、SIS TechnologiesおよびSSA Global Technologiesの製品とサービスを組み合わせたRFIDウェアハウス管理ソリューションなどのRFID製品を発表した。

 同社によると、Sun RFID Offering for iForce Partnersは、ネットワーク型RFIDソリューションの開発促進を目的とした業界初のプログラムだという。

 Sunのプレスリリースによると、Sun RFID Offeringの主要コンポーネントは、RFIDデバイスアダプタの開発を容易にするための「Sun Java System RFID Software Toolkit」。RFIDデバイスアダプタは、RFIDリーダーが「Sun Java System RFID Software」と通信することを可能にする。ユーザー企業はSun RFID Toolkitを利用することにより、RFIDリーダーなどのデバイスをSun Java System RFID Softwareに連携したり、RFID配備用のカスタムデバイスアダプタを作成したりできるという。

 Sun RFID Offering for iForce Partnersでは、Java System RFID Softwareに関連する開発ニーズやマーケティングニーズに対応する最新のニュースやドキュメント、ダウンロードソフトウェア、ツールキットが会員に提供される。技術リソースやマーケティング情報の提供に加え、企業がSun RFID Test Centerを利用してSunと共同でパイロットプログラムを開発したり配備を行ったりできるようにするという。

 Sunは、SIS TechnologiesおよびSSA Globalと共同でRFIDウェアハウス管理ソリューションを開発した。SIS Technologiesはインフラ、技術サポート、技術ソリューションのプロバイダー。SSA Globalは大規模ERP(Enterprise Resource Planning)ソリューションのプロバイダーである。同製品は、RFID技術を利用して在庫追跡/管理といった費用のかかる手作業を自動化することにより、メーカーや流通業者のコスト削減と効率改善を支援するのが狙い。

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