オープンソースは「西部開拓時代」――SCOのマクブライドCEO

SCOのマクブライドCEOは、オープンソース支持者とプロプライエタリな企業の現状を「西部開拓時代」にたとえ、自身を「知的財産保護のために戦う闘士」と位置付けた。(IDG)

» 2004年10月13日 10時12分 公開
[IDG Japan]
IDG

 今、自分の知的財産を守らなければ、オープンソースをうたう無法者にビジネスを奪われる危険を抱えることになる――米SCO Groupの社長兼CEO(最高経営責任者)ダール・マクブライド氏は10月12日、仏カンヌのEtreカンファレンスでIT業界リーダー、アナリスト、投資家に向けてこう語った。

 SCOはIBMやほかの企業とのUNIXソースコードをめぐる特許訴訟で泥沼にはまっている。マクブライド氏は、ソフト事業や音楽ビジネスに携わる企業が今、自社の資産を守らなければ、「大きな賭け」をすることになると警告した。

 「いったん何かをデジタルの形にすると、それは簡単にコピーできるようになる。私が皆さんに問いたいのは、自分の知的財産にそうしたことが起きたら、どう対応するのかということだ」と同氏は語り、オープンソース支持者とプロプライエタリな企業の現状を「西部開拓時代」にたとえた。

 SCOは、複数の企業でLinux関連開発に使われているLinuxカーネルに、同社のプロプライエタリなUNIXソースコードがライセンス料を払うことなく流用されていると主張している。幾つかの面で長期の法廷闘争を繰り広げるマクブライド氏は、自身を「フリーのオープンソース開発の脅威が拡大する中で、知的財産保護のために戦う闘士」と位置付けた。

 「SCOの市場シェアは40%から10%に下落した。当社は、われわれが言うところの『ハリケーンLinux』の攻撃を受けている」と同氏は語った。ただし同氏は、Red HatなどLinuxを商品化している企業は賞賛した。

 IT業界の発展におけるLinuxの現状を示すための講演で、マクブライド氏はSCOの闘争への支持を喚起しようとした。

 「オープンソース運動は、プロプライエタリなソフトは存在すべきではないと主張している。OSはタダであるべきだとオープンソース支持者は言っているが、これは危険な展開だ。世界には1200万人の開発者がいる。彼らの成果をタダにするというのか?」(同氏)

 Etreの参加者は、SCOの闘争に加わることについては消極的だった。

 「永久にタダでものをあげることはできない。それは明白だと思う」とこのカンファレンスの主催者アレックス・ビュー氏。

 マクブライド氏は、SCOは間もなく同社の見解を伝えるためのWebサイトを構築すると話した。

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