コラム
» 2005年04月12日 14時37分 UPDATE

XPで十分――Microsoftが抱える問題

Windows XPはビジネスユースでは競合を寄せ付けない。だがそれがLonghorn出荷時にはMicrosoftにとってあだとなりかねないとJupiter Researchのアナリスト、マイケル・ガーテンバーグ氏は指摘する。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 ここのところクライアントOS戦線は静かだ。企業IT管理者は、ここしばらくシステムの大きな移行に立ち会わずに済んでいる。

 過去の日程表を調べてみたところ、私がWindows XPの最初のβ版をインストールしてから4年近くたつ。このβ版は業務の使用に十分耐えると思ったし、その後のバージョンも、私のところではまずまずよく動いている。Microsoftが今まで出荷したOSの中でベストと言ってもいいくらいだ。Longhornがいまだに遠くかすんだ未来に潜んでいる現在、このWindowsクライアントプラットフォームが、依然として競合製品と比べてビジネスに適していることに注目してもいいころだ。

 Microsoftがこれほど長い間新しいバージョンのOSを出荷しないのは初めてのことだ。この間、Linuxは多数のバージョンがリリースされ、それぞれ前のバージョンより機能強化されてきた。AppleはMac OS Xの3度目のメジャーバージョンアップを行っている。市場には真剣に検討する価値のある複数の選択肢が存在するものの、ビジネスユーザーにとってWindowsが最適な選択肢であろうという私の結論は変わらぬままだ。

 Windows XPは一見、成長が止まったように見える。実際は全然違う。XP用として2つのサービスパックがリリースされ、それぞれでセキュリティ、信頼性、堅牢性が強化された。また、XPでは多くの試みがなされ、Media Center EditionやTablet PC Editionが登場した。いずれもビジネスユーザーには大きな影響を与えなかったが、それぞれの市場では重要な意味を持つ出来事だった。Media Centerはメディアとエンターテインメントにフォーカスした機能を持つコンシューマー用OS。Tablet PCは、魅力的なハードやキラーアプリがないといったさまざまな理由から、ビジネスコンピューティングの世界ではあまり重視されていない。

 だが重要なのは、XPが機能、セキュリティ、安定性、信頼性の点で、ほとんどのユーザーにとって十分なレベルにまで進化したということだ。Windowsのユビキタス性は、このOSをアプリケーション開発に最適なプラットフォームにしているし(Windowsプラットフォームに載らないミッションクリティカルなアプリケーションなど、私には考えられない)、過去4年間に出荷されたすべてのPCは、適切なハードウェアドライバを備えてWindowsをフルサポートしてきた。

 Windowsのユビキタス性によって、ほかのプラットフォームが優位に立つのは難しくなっている。LinuxにもMac OSにも、信奉者もビジネスユーザーもいる。だがLinuxはまだアプリケーションの幅が不足しているし(Microsoft OfficeのLinux版がないのは大きい)、ハードウェアの互換性も不十分だ。また、Mac OSはAppleのハードウェアでしか使えない。

 しかし、これはMicrosoftにとって必ずしも朗報ではない。ビジネスユーザーの要求はコンシューマーの要求とかなり異なるし、最近のXPの進化はコンシューマー寄りでメディアとエンターテインメント機能関連のものが多い。従って、Microsoftは独自の問題を抱えることになるだろう。Longhornが出荷される時、Microsoftは初めて競合他社を長年悩ませてきた問題に直面するだろう。つまり、代わり映えがせず退屈だがビジネスで使うのに十分なプラットフォームと考えられているWindows XPから、ユーザーをいかにして引きはがすかという問題だ。競合にとってはMicrosoftから顧客を奪うチャンスになるだろうし、だからこそ今は、2〜3年後を見据えたOS計画を考えるべき時なのだ。

※本稿筆者マイケル・ガーテンバーグ氏は、JupiterResearchの副社長兼リサーチディレクター。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -