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» 2005年04月13日 18時07分 UPDATE

小さな大学がOpenOffice.orgとLinuxで大きな経費節減

Microsoft OfficeからOpenOffice.orgへ――移行に伴う多くの不安を解消してくれたのは、一冊の本だった。

[Tina-Gasperson,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

 オクラホマ州マスコギーのベーコン大学は、アメリカ・バプテスト協会(American Baptist Association:ABA)系列のネイティブアメリカン支援を目的とした大学であり、オクラホマ州最古の高等教育機関である(1880年創立)。この小さな4年制大学の教養学部は政府からの資金援助を一切受けていないため、学校職員にとっては、いかに費用をかけずに良い教育を提供するかが重要課題になっている。同大学では、先ごろ、大学の技術者ロバート・ダンカン3世が趣味のLinuxを活かしてIT部門の大幅な経費節減を実現したところである。

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 ダンカンがこの件に関わり始めたきっかけは、2003年初頭に父ロバート・ダンカン Jr.がABAからベーコン大学の学長に任命されたことだ。IT部門の改革の必要性は明らかだった。当時のコンピュータラボのデスクトップマシンはすべてPentium 133とWindows 98だった。マシンは頻繁にクラッシュしたし、HDDの障害も日常茶飯事だった。問題をさらに複雑にしたのは、Microsoftの技術サポートが撤退したおかげで、大学側が多額の出費を迫られるようになったことだ。Windows XPは300MHz未満のCPUでは満足に動かなかったため、大学側はOSのアップグレード費用だけでなく、ハードウェアの購入費用も捻出しなければならなくなった。

 置き換えの必要があるデスクトップマシンは全部で45台あり、45本のWindow XPライセンスだけでなく、45本のMicrosoft Officeライセンスも購入しなければならなかった。そこで、何かうまい方法はないかと検討が始められた。経営学を専攻していたダンカンは、当時ちょうど学校でLinuxを使い始めたところで、すぐにOpenOffice.orgの存在に目をつけた。調べてみたところ、この無料のツールはMicrosoft Officeを完全に置き換えられる完璧なソリューションであることが判明したので、彼はOpenOffice.orgを使うよう父親と大学職員に進言した。

 ダンカンによると、大学職員らは当初、「本当に無料の製品が450ドルもするMicrosoft Officeの完全な代わりになるのか」という疑いを持っていて、そのためだけにOpenOffice.orgの受け入れを渋っていた。しかしダンカンはある日偶然、彼らの目を開かせるのに役立つ本に出会った。

 「僕はクリスマス休暇を終えてニュージャージーからオクラホマに車で帰る途中、ふと思い付いてナッシュビルの終夜営業の本屋に立ち寄ることにした。そこで「OOoSwitch: 501 Things You Wanted to Know About Switching to OpenOffice.org」(OpenOffice.orgへの乗り換えのために知っておきたいこと501)という本を見つけたんだ」。この本では、彼がこれまでに耳にしたあらゆる否定的意見に対して、その作業をOpenOffice.orgで行う方法が説明されていた。ダンカンはこう語っている。「今では、誰かが『OpenOffice.orgでこれはできないだろう』と言ってきたら、そのたびにこの本を見せて『いや、できるよ』と言ってやるんだ」。

 さらにダンカンは、Wal-Martと交渉して、OSの付いていない新しいコンピュータを1台199ドルで45台注文できるようにこぎつけた。これにより、Microsoftライセンスをアップグレードするよりも安いコストで、Windows 98とOpenOffice.orgを搭載した新しい保証付きシステムを45台用意することができた(Windows 98は新マシンに移行し、旧マシン上のWindows 98は削除した。これはWindows 98 EULAに違反していない)。

 工夫はそれだけに留まらなかった。45台の古いPentium 133マシンにRAMを上限まで増設し、障害のあるHDDを取り外して、CDから起動する新しいKNOPPIX Linuxマシンとして生まれ変わらせたのだ。このリサイクルされたワークステーションはキャンパス内のあちこちの公共エリアに配置され、管理・保守しやすいインターネット用マシンとして利用されている。「これらのマシンは監視も再設定も必要ない。ただ再起動すればいいだけだ」とダンカンは語っている。

 ダンカンは、自分が創意工夫をこらして実現した成果に満足している。「これで、どこかのサードパーティに振り回されるのではなく、自分たちの技術リソースを自分たちでコントロールできるようになった。2年ごとに新しいコンピュータを購入するように、とどこか別の会社から命令されるのは恐ろしいことだ。われわれはOpenOffice.orgとMicrosoft Officeの差額で経費を節減し、使用可能なコンピュータの数を2倍に増やすことができた。ほかの人なら捨ててしまったようなハードウェアを利用して、ラボやサイバーカフェへのオープンアクセスを実現することもできた。そのほとんどはOpenOffice.orgのおかげである」。

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