2点目は、仕事には他人との協力が不可欠であるという点だ。SEの仕事は問題解決とほぼイコールだ。顧客のビジネス問題解決としてのシステム提案、設計ミスという問題解決、仲間のモチベーション低下という問題解決……。あらゆる仕事が問題解決である。
どんな問題も実際に人間が手足口を動かさないと解決しない。それには、人的リソースが必要だ。いくら原因がわかっていても、解決プランがすばらしくても、人・予算がなければ絶対に解決しない。リソース確保には、きちんとした説明が必要だ。
「前からそうやって来たから」
「なんとなく、それうまくいきそうだから」
といった説明では、リソースを動かすことはできない。
ということを、論理立てて説明しなければならない。さらに、顧客、部下、上司、他のプロジェクトの仲間などが実際に動いてもらえるような説明の仕方が必要なのは、言うまでもない。
では、どうすれば「コミュニケーション」が、「論理的」になるのだろうか。
簡潔に言えば、「論理的なコミュニケーション」以下の5点が明確なものである。
1. 結果のイメージ
まずは、相手とのやり取りによってどんな結果を得たいのか、明確にイメージしなければならない。たとえば、プロジェクトの進捗状況の報告会を考えてみよう。期限に間に合わなさそうなタスクがあるとする。
そのようなタスクがあることを参加者に認知してもらう、というのもひとつの目的だが、それだけで済むようなケースは、現実的にないだろう。
「コンティンジェンシープランを示し、関係者に必要な準備をしてもらう」というような、具体的なところまで示して、はじめて結果をイメージするレベルに到達する。
2. 論点
論点とは、すなわち「問い」のことである。上記のケースで言えば、「遅延タスクにどう対処するか」などである。
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