一歩先を行くSEの「頭の使い方」を考える。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
山崎 将志(知識工房 代表取締役)
前回のコインに関する論理パズルは、実は「発想力」の問題であると述べた。その理由がわかりにくいという質問もいくつかいただいたので、もう少し詳しく説明することにする。論理パズルであれ、プログラムのバグ発見であれ、仕様変更に関わる顧客との交渉であれ、どんな問題も、解決方法は以下3つのパターンのいずれかである。
まず、1の「知っている答えを当てはめる」については、掛け算の九九と同様、答えを知っていれば解ける問題だ。天秤の問題の答えを記憶していれば、即座に「2回」と答えられる。
2の「方程式に当てはめて解く」ケースでは、主に中学校・高校で習った解法だ。方程式に数字や文字を埋めていけば、解けるような問題である。天秤の問題で言えば、「この種の問題は」「選別」ではなく「除外」というアプローチで解くことを知っているようなケースだ。日々の仕事においても、問題解決に使える方程式=ツールは多くある。知っているかいないかで、仕事のスピードと質にかなり大きな影響を与える。
しかしながら、仕事の現場で起こる問題は、答えも知らないし、あてはまる方程式もない、といったものがほとんどだ。だから、3.の「ゼロから考えなければならない」ことが圧倒的に多いのが現実である。天秤の問題では、「選別」の対概念として「除外」というコンセプトを自力で思いつけるかどうかがカギであり、そこでは「発想力」が問われる。
「発想力」というと、なんだか天賦の才能のように聞こえるかもしれないが、実はトレーニングによって鍛えられるものである。
そこで、本稿では、仕事の問題解決や新しい企画の立案に必要な「発想力」について概説した上で、それを鍛えるための方法をご紹介したい。
では、ここで一度あなたの発想力をテストしてみよう。
・問題:
「○○な人、××な人」という表現を、10分間でできるだけ多く考えてください。「○○」と「××」には、対になるような、形容詞/形容動詞/動詞を埋めてください。たとえば、「背の高い人、低い人」などです。
さあ、エクセルを開いて、あるいは紙とエンピツを用意して、やってみてください。
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