さて、いくつあげられただろうか?
結果についての評価はさておき、まずはこの問題を使って、発想というものがどのように行われているか、解き明かしたいと思う。
まず、自分で書いたリストを見て、何に着目しているかを調べてもらいたい。先ほどの「背の高い人、低い人」であれば、「身長」である。さらに、その着眼点をグルーピングしてみよう。たとえば、他に「目の大きい人、小さい人」などの項目があれば、身長と同じグループで「身体的特徴」である。
さて、何種類のグループがあるだろうか。項目の多さも重要であるが、グループの種類の多様性のほうがより意味がある。
次に、もう一度リストを眺めて、着眼点が変わったポイントを探してもらいたい。たとえば、「身体的特徴」から「サッカーが好きな人、嫌いな人」といったように「趣味」に切り口が移ったポイントである。このポイントで、あなたが何を考えていたのか、思い出してもらいたい。たとえば、「背の高い人」→「背の高いサッカー選手」→「サッカー好きの人」といった連想が働いたのではなかろうか。
この問題の考え方はこうだ。いくつか項目を挙げていくうちに、それぞれの項目は「着眼点」と「表現」の組み合わせであることに気づく。
これに気づかないと、延々と項目を1つ1つ挙げていくことになり、すぐにネタが尽きてしまう。または、サッカー好き、野球好き、テニス好き、というように同じ切り口でしか考えられない。一方、この構造を発見できれば、あとは着眼点をどんどん増やしていき、それごとに、具体例を当てはめ、そこに大小や上下などの表現を付け加えるだけである。10分あれば、50個は簡単に考えられる。
しかし、たとえ構造が発見できたとしても、その場で着眼点をどう増やしていけばよいのだろうか。まずは、すぐに使える「着眼点セット」を用意しておくことだ。
先ほどの例では「人の捉え方」に関わる着眼点のセットをご紹介した。たとえば、「新商品のターゲット層を考えよ」というお題が出された際も、先ほどのような視点のセットをもっておけば、すぐにセグメンテーションのアイデアを作ることができる。
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